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とっておきの作戦と犠牲

こうしてアナ研を救うために動き出したのだが、優希と亜美は動画配信部の活動として取材のスケジュールが入っていた為に自由に動くことが出来なかった。


しかし、元々出来る事と言えば動画配信でのコマーシャル程度だったので、アナ研の面々はその間に販売シナリオやルールブックの作製を行うということ話であった。


そうして1週間が経過して予約していた文化部の取材が滞りなく終わり、コマーシャルを撮る為に再びアナ研の部室へとやってきていた。


「しかし、どうしようかと思ったのですが皆さんが道具を揃えてくれて助かっちゃいましたよ」


亜美が持っている紙袋を見ながら動画配信部のスタッフに声をかけた。


彼らは無言でサムズアップしながらその声に答える。


部室内では普通に会話してくれるのだが、彼らは取材の時には声を発さず裏方に徹する事にしているそうだ。


それでもこうしてコミュニケーションを取れるので2人は特に気にしてはいないのであるが。


「うふふ〜亜美ちゃんも悪いこと考えるよね。

でも、私も楽しみだなぁ」


「部活を助ける為に何でもやるって言ったのは結城なんだから存分に身体張ってもらいましょうよ。

それに私の考え悪くないでしょ?

普通にやるより絶対に華やかでインパクトがあるって!」


再び後ろのスタッフに声をかけると彼らは思い思いに手で丸を作ったり、いい笑顔で親指を立てていた。


「という訳で……こんにちわ〜取材に来ましたよ!」


「今日もよろしくお願いします」


「こんにちわ、薪開さん、双葉さん。

ご足労おかけして申し訳ありません。

そして、よろしくお願いするのはこちらの方ですよ」


「2人とも、今日はよろしくね」


「こっちの準備は出来てるからバッチリ頼むぜ」


「それじゃあCMを撮りますね。

これは短い広告用と実際にプレイしている様子の2種類を撮ります。

短時間で終わるゲームもあるんですよね?」


亜美がそう尋ねると須頃は手にした本をパラパラとめくる。


これが超特急で作り上げたルールブックの原本らしい。


「ええ、ルールブックの方には短時間から長期間まで様々なゲームを取り揃えましたので問題ありませんよ」


「それじゃ撮影に入る前に結城を借りますね」


「え?聞いてないけど何かあるの?」


「ふふ、インパクトのある動画を撮る為のとっておきの秘策よ。

大丈夫……結城も優希みたいに直ぐに人気者にしてあげるから」


「え、何か怖いんだけど……」


手をわきわきと動かしながら迫る亜美と優希の迫力に後ろに下がる結城。


その結城の肩を支えるように左右から手が伸びる。


驚いた結城が左右を見回すと、その手の正体は須頃と涼であった。


「アナ研存続は結城君にかかっているそうなので頑張ってください」


「お前、この間何でも頑張るって話してたからな。

男なら頑張ってこいよ」


2人はそう言うとグイッと背中を押して前へと移動させていく。


その前には手を前に出して待ち構えている亜美と優希。


「ひいいいいいいいい!?」


こうして悲鳴を上げつつも結城は予定通りに連れて行かれる事になったのであった。

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