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説得は無理そうだ

「ただいま〜母さん、涼と亜美がお見舞いに来たよ」


「お邪魔しま〜す」


「叔母さん、お久しぶりです」


「あらあら、2人とも久しぶりね。

結城の為にわざわざありがとうね」


私達は学校が終わったら途中のコンビニでお土産を買って双葉家へと向かった。


まぁ、お土産と言っても栄養ドリンクやフルーツヨーグルト、お値段の高いアイスクリームだけど。


そうして準備を整えた私達は双葉家に辿り着いた。


優希の案内で家に上がると結城達の母親、弥生叔母さんが出迎えてくれた。


私は叔母さんにお土産を渡すと二階に上がって結城達の部屋へと向かった。


「結城〜起きてる?」


「お帰り〜……って、2人とも来てくれたんだ」


「おう!思ったより元気そうだな」


「心配したけど顔色見る限り安心ね」


「一応大事を取って明日は休むつもりだけど熱は完全に下がってるからね。

でも、お見舞いに来てくれて嬉しいよ。

2人ともありがとう」


「それなら良かった。

……そういやお前らこの部屋を2人で使ってるんだって?」


予定通りに涼の方から肝心の話を振る。


「そうだよ。

ここは僕の部屋でもあるけど優希の部屋でもあるからね」


「でも、2人でこの部屋って狭くないの?

それに2人ともいい歳なんだからプライバシーとかあるでしょ?」


私がそう言うと2人は顔を見合わせた後に同じタイミングで首を傾げる。


「狭いって感じたことは無いかなぁ」


「プライバシーも何も元は同じ人間だよ?

お互いの心の内を全部知り尽くしてるのにプライバシーも何もないよ」


「お、おお……そうか」


私達としては此処から話を広げてお互いの部屋を持つように誘導していくつもりだったが完全に先手を取られた気分であった。


「いやいや……それでも男女なんだし着替えとか寝る所とか困ったりすることもあるでしょ?」


「うーん……着替えも僕が優希だった頃に散々自分の身体とか見てるから隣で着替えられても何も感じないよ」


「それに私達って身体が小さいからベッドに2人で入っても全然余裕だよ」


「そうか〜気にならないなら仕方な……ん?」


「確かに気にならないか……あれ?」


『このベッドに一緒に寝てる!?』


私と涼が気が付いて同時に叫ぶ。


「どうしたの、急にそんな大声出して」


「ベッドが一つしかないから当然だよね?」


結城達はお互いの顔を見合わせて同意しあう。


「いや、確かに言う通りだな。

……お見舞いに長居しても仕方ないし俺たちはこの辺で失礼するよ」


「ちょっと、涼!?」


「こりゃどう考えても無理だ。

それに俺たちも少し頭を冷やしたほうがいい」


「……そうね、ごめん。

結城、明後日からまた一緒に学校行くわよ」


「もちろん。

2人とも今日はありがとうね」


「私、入り口まで見送ってくるよ」


「うん、お願いするよ」


こうして私達は叔母さんに軽く挨拶をした後に双葉家を後にしたのだった。


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