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三十七話『闇より暗い黒』

「なるほど、それはとんでもないですね」


 現在時刻、2時14分、暗闇に目が慣れて二人の輪郭がなんとなくわからかくもないが、やはり黒一色だ。


「もし本当に黒灰を人為的に引き起こせるとするなら、マズイですよね」

「カナリナ、ダガマダソウト決ッタワケジャナイ」


 それを聞いて安心したが、それらを黒灰の原液と呼んでいるところを見ると。ほとんど決まっているようなものなのかもしれない。


「だから、私が調べてる」

「いい結末を祈ってますよ」

「何に祈るの、神様みたいなの嫌いでしょ」

「いやいや、願いを叶えてくれるのなら神様も捨てたもんじゃないですよ」

「ナラ、叶ワンナ」


 暗闇の中、神様トークで静かに盛り上がった。

 ただの散歩のつもりが長い時間、居座ってしまった。僕はそろそろ帰って寝ると話を切り出そうと大きく伸びをして。


「動いた」

「マダラカ」

「うん、どこかへ行きそう」


 なんと、今更動いたらしい。

 そういえば見張ってたんだっけ、完全に忘れていた。

 というか今思い出した、かなりくつろいでいたがここのすぐ前(もしくは後ろ)は崖じゃないか。

 意味がわかると怖い話ならぬ、思い出すと怖い話。どちらにしろ、ふと分かっただけで背筋が凍る。

 背筋ということは、後ろに崖があるのか。


「追います、志東さんは帰ってどうぞ」

「ちょうど僕も帰ろうとしてたんですよね」


 そう言いながらカンテラを手に立ち上がって、後ろに振り返り1歩前に出ようとして。


「ココヲマッスグ三百歩行ケ、ソコデ灯リヲツケロ」


 ブリキさんに体を捕まれ、グイッと向きを変えられた。

 ブリキさんを信じるなら、僕は今死にかけたのでは。


「わかりました、頑張ってください」

「アァ、オヤスミ」

「おやすみ」


 梟さんからの言葉はいただけなかったが、何か言ってやろうと思った頃には僕以外誰もいなくなったようで。

 相変わらず、暗闇が広がっていた。静かになると、無性にこの状況が嫌になってくる。

 僕は駆け足で、まっすぐ前へ進んだ。

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