【納豆】草薙悠弥、独居老人に健康にいいものを食べてもらう
今回の相手――独居老人
草薙は、ある老人宅を訪れた。
「よぉ。じいさん元気か」
「なんや!? ……草薙か!?」
日本の地方に住む知り合いの一人である。
「元気か、じいさん」
「ぼちぼちや、珍しいな」
草薙は老人に訪問理由を話す。
「……ウイルス対策に健康促進?そりゃかありがたいのぅ」
「意外に素直だなおっちゃん」
「うるさいわい」
「わはは」
「病院は老人に薬ばっかりだしよる。あんな多くいらんわい。ジジィだからと適当にみおって、薬さえだせばいいとおもっとる」
「病院も営利企業だからな」
「医者はわしらを金づると思っとる。まったくあほったれが」
「否定はしないが、なんにしろ……健康にならん事には薬はどんどん出るだろうな、だから」
草薙は免疫力向上食料を出した。
「健康になろう。地道に!」
「まぁいつもの薬の他に風邪薬をもらっとるがのぅ、正直これ以上薬はのみとおない。薬なしで健康になりたいわい」
「風邪薬? どんなの?」
老人が風邪薬と思われる薬を見た。
草薙は風邪薬を見る、俗に抗生物質といわれるものだ。
「医者が出すもんだから、基本的には飲んだ方がいいんだろうが……まぁ、飲まずにいられるならその方がいいって気持ちはわかる」
それに、抗生物質は、ものによっては免疫作用にあたる体内組織までまとめて殺すものもあるので、自然免疫力を低下させる側面もあるろいえる。
「なんにしろ食は大事だ」
老人はうろんげに草薙をみたももの、苦笑して肩をすくめた。
「正直助かるわい。隠してもしゃあないが……弱っておった。お前の事や、現実的な事はやるやろ」
「普通に助かる事、普通に嬉しい。そんなもんだよ」
「お前いつも誰かを助けとるな? なんでや」
「草薙悠弥だからな」
草薙悠弥がなぜ助けるかというと、草薙悠弥だからだ。神風とはそんなものだろう。
「……本当にお前は」
苦笑するような、呆れたような老人。
草薙は免疫力をあげる食べ物を老人に説明した。
説明だけでなく、実際に食べ物をおいていく。老人が多くの貯蓄をもっていない事を草薙は知っていた。
草薙は免疫力が向上する食べ物を渡した。
◎納豆(多め)
◎ヨーグルト
◎ショウガ
◎ねぎ
◎にんにく
◎卵
免疫力向上に役に立つ食べ物だ。
じいさんなので、それぞれの量は調整してある。
「お茶は緑茶を多めに飲むといい。免疫力があがる」
飲み物についても補足する。
免疫力が上がる食べ物ばかり進めたが、それだけ食べればいいというわけではない。それ以外のものを食べるようにもいう。
後は野菜ジュース、後は風邪の予防に役立つサプリメントも渡す。
特に今回重視したのは――納豆だ。
「納豆はいいぞぉ!!」
草薙悠弥は、独居老人に納豆を振るまった。
大量の納豆を彼においていく。
納豆は栄養がたっぷりだ。
そして、整腸作用がある。
「よく噛んで食べるのがオススメですぞ、よく噛んで食べる」
よく噛む事で唾液が出る。
「しゃあないのぅ」
今日のじじぃは素直だった。体調が悪くてちょっと弱気になってるのかもぢてない
「暖かくして寝るんやで。暖かくして寝れば免疫力も回復するさかいな」
草薙は微妙ば関西弁でじいさんにいった。
そして、家の出口に向かう
「なんや、もういくんか?」
「今日は色々回るから」
「……そうか」
草薙は納豆をおいていった。
「たくさん食ってくれよな!!」
草薙は快活にいった。
「あとは……笑顔か」
「笑顔?」
「笑顔になると自律神経が整いやすい。免疫力を左右する腸。腸は副交感神経が影響する。だから自律神経を整えるのが大事……まぁザックリ理論だが笑顔だと自律神経が整いやすい」
「ほぅっ、そうか」
「まぁ無理して笑うとそれはそれであんまよくないってとこもあるけどな。参考程度に」
草薙はいった。
「じゃあな、じいさん」
「おう、助かったわい」
老人は笑った。無理のない、いい笑顔だった。