1灯目 ただじゃ死なねえ皆でママに会いに行こうや
当方人に文を見せるのは初めて故これじゃ読みにくいわ!とかなんじゃこりゃ!みたいなご意見どしどしお待ちしております
仕事って一体全体何なのだろうか
やってみたいあの仕事も
あの人と一緒に働ける夢にまで見たこの仕事も
初めは楽しいのだけれども、数カ月もすれば飽きてしまう
それか性に合わなくて直ぐやめてしまう
まあ実際問題働いてみればこんなもんなんだろう
とりあえず今、現在、この私の小股をぬめっとした手で撫ぜている
好色爺さんの隣で何が美味いんだか知らない酒と茶をクルクル混ぜて
アルコールキメラを作っている私は・・・・・・馬鹿だ
「またぐらへのお触りはおやめくださいっす~♡」
最大限に女子力をアピールしながら言い放つと同時に本格芋焼酎“霧島”の瓶を
爺さんの頭蓋骨へと叩き込んだ。
派手な音を立てながら砕け散る本格芋焼酎“霧島"
このスケベ爺さんの頭もキラキラ砕け散る“霧島”の亡骸にまみれて幸せだろう。
人を殺めてしまったことによってこれから行くはずの刑務所に私の処女性を奪わんとしたヘラヘラドスケベ好色爺さんの顔を拝んで同性にゃんにゃん蔓延るという
ブタ箱への威嚇も込めた土産話にしようか
とんでもなく頓珍漢な事を人を殺めてしまったパニックゆえだろうかそんな事を
考えながら爺さんの顔を見た。
修羅、人修羅、悪鬼羅刹、その全てを混ぜ合わせた様な顔をしたキメラモンスターがそこにいた
「こんっがkjfは殺せあdおまだkえjらぁぁfそ;fjs」
人とは思えない怒号とも絶叫とも言えるような声で爺さんはおっかない言葉をまきちらした。
他の席で飲んでいたイケメンもカウンターの禿げたおっさんもおまけに
普段菩薩のように優しい店長もこの安全国家日本において不釣り合いな拳銃を懐から取り出しこちらに向け鉛の弾丸をぶち込んできた・・・
~拝啓天国にいるはずのママへ~
私がまだ子供だった頃に今はどこかに蒸発したパパとドライブによく行ったよねドライブの帰り道、暗いトンネルの中に点々と灯るオレンジ色のライトが
不思議と心地良かったのを今でも覚えています。
話は変わるのですが私は今、膝に銃弾を撃ち込まれ黒のセダンで拉致られています
あの懐かしいトンネルの中でオレンジ色の光を親の仇の様に縛られた目隠し越しに感じています
まあヤクザのトップのことを親分と呼ぶらしいし親の仇と言うのは間違っていないのかも…
こいつらはどうやら私を海に沈めるために県隣りのプライベートビーチとやらに連れていくようです。
天国からなんか不思議なパワーで助けてもらえないですかね無理ですよね、
はい、ですよね(笑)
これから死ぬ事を覚悟し天国のママにお手紙的なテレパシーを送っていたら無粋な声が響いた
「おい、嬢ちゃんこれから死ぬってのに何ヘラヘラしてんだぶち殺すぞ」
私の髪を乱暴に掴み上げ後ろの席に一緒に乗っている隣の黒服がドスを聞かせた
声で脅してくる
「今ママとお話ししてんだろうがてめえこそぶち殺すっすよ禿丸」
私がそう吐き捨てると隣の黒服改め禿丸君は顔を真っ赤にしながら
蒸気機関車の様になっている
「禿丸!?おま、いつも俺だけに愛想良いなって思ってたのに裏ではそんな事考えてたのかよ!」
こんな小汚いおっさんに愛想を振りまく女はいないだろうてめぇの禿げを見て
にやけてただけだ禿
「おいおい辞めとけってその嬢ちゃんの気が強いってのは姉貴の店の常連なら知ってるだろ」
助手席に座っている常連のイケメン(ヤクザ)が呆れた口調で禿丸君に伝える例え自分たちの組長の頭をかち割った女にでも助け舟を出すとはこれぞイケメンだ
禿丸も見習ったほうが良い
「でもよぉ僕こんな娘雇った責任として指処か腕まで持ってかれちまうよぉ」
そんな消え入りそうな声で運転をしている女がぼやいた
「でもっすよ店長あの爺さん私のおまた触って処女性奪おうとしたんすよ許せないっす」
そうあのスケベ爺さんは私の稀有な少女の処女性を犯そうとしたのだ
万死でも生ぬるいだろう
「え゛っそんな理由!?僕らはヤクザだから間違っても手を出したりしないでねってお願いしたじゃない!」
「あ~あれ本当だったんすね大人特有のつまんねえ冗談だと思ってたっす」
「え゛ぇ゛…大人にそんな冗談いう人間いないよぉ」
この年端もいかないようなというか少女のような見た目をしたヤクザな店長はママを早くに亡くした私を世話してくれている叔母にあたる存在だ。
日頃は菩薩の様に優しいのだが素声の酒で焼けた声が出てきているということは
怒りが抑えきれなくなっている証拠だろう
さて、そろそろ頃合いだ…
このトンネルを越えた先には崖ぎわギリギリの急カーブがある
よくパパがここら辺のカーブを曲がるときに「ここから落ちたら死んじゃうぞ~」と私をビビらせて脅してきたものだ。
どうせこのまま膝が全く動かなくなった私が海に捨てられたところで助かる見込みはない
なら、やる事は1つこのまま1人で死ぬよりは何人か道連れにした方が気も晴れるというもの
道連れ作戦改め皆でママに会いに行こうツアーズ開催の合言葉はシンプルなワード
私の反抗期を開始10秒でへし折った今までタブーとしてきたたった1つの言葉
「お ば さ ん 乳首立ってないっすか!?」
「て゛ん゛め゛そ゛ん゛な゛こ゛と゛い゛ちゃ゛い゛け゛な゛い゛だ゛ろ゛お゛」
おばさんという言葉と下ネタを忌み嫌う店長は発狂しながら運転を放り投げ私に
掴みかかってきた
余談だがこの人は当時14だった私が唯一反抗期らしい反抗を見せたおばさんという言葉を発した段階で半殺しにしてきたある意味、狂人である。
非常に勇気のいる、なんだったら海に投げ捨てられるよりも恐ろしい店長を発狂させた意味はこの行動を読んでいたからこそだ。
この人はタブーワードを発言したらとりあえず首を絞めてくるあの時刻まれた
トラウマという名の知恵が生きてくる…
まあ、死ぬ事には変わりないけど…
それはさておき急カーブに進入する所でハンドルを離せばどうなるか馬鹿でもわかる
しかもカーブを突き抜けたその先には奈落の海が広がっており助かる見込みもない
さあ皆でママに会いに行こう極道なんてやってるこいつらは地獄に行くだろうけど
少なくとも頑張ってきた私は天国の門くらいは拝めるはず…
その位の贅沢、神様も仏さまも許してほしい
もし、もしも、仏教とかでよく言う輪廻転生なるものがあるのなら
こんな短気で可愛げもない私でも良いと言ってくれるのなら
やっぱりママがいてパパがいてあとついでに叔母さんもいて
楽しいことばっかりじゃなくて良いから
一緒に生活したいな
~ママとパパの娘より~