あの時から始まった。
その後一旦教室に戻り先生から最後の挨拶。
また生徒が泣き出す。
そして校庭にみんな出て家族と写真撮影。
俺達4人卒業生とその家族の写真撮影に大変な事になる。
みんなで集合写真を撮る事になる。
最高の笑顔で写真に収まる。
何故かシャッターを押すことが出来ない人が続出して俺の家族がシャッター係りとなる。
『慣れてないから仕方ない』と俺の家族は言ってた。
その後1時間ぐらいして家族達と別れて教室に戻る生徒と家族と一緒に帰る生徒に分かれる。
佑樹と花谷さんが俺と由香の教室に来て4人集まった。
「あー終わっちまったな~」
俺の机に座って佑樹が呟いた。
「運命は変えられるか、他の奴が言うと嘘に聞こえるが浩二が言うと本当にそう思うな」
「私もそう思う」
佑樹の言葉に俺の隣の机に座っていた花谷さんも頷いた。
「和歌もか」
「ええ、浩二が由香と出会い、私も佑樹と出会った。
そう言えば佑樹との出会いは最悪だったわね」
「ああ覚えてるぜ、
入学式の日校庭にあったボールを蹴って遊んでいたんだ。でもボールが逸れて女の子に当たって泣かしちまったんだよ」
「そうよ、私の幼稚園の友達にね」
「和歌ちゃん怒ったでしょう」
「怒った怒った。青筋立てて怒鳴られたぜ」
佑樹はこめかみを人差し指でプルプル動かして笑った。
「佑樹あんた大袈裟よ。
でも佑樹ったらヘラヘラ笑いながらごめんごめんって!余計頭に来ちゃって」
「その時に先生が集合かけたんだよな」
「そうよ。で、クラス別に並んだら同じクラス」
「ああ、入学式の間中ずっと和歌に睨まれたっけ」
「その後教室に集まって先生の話が終わって佑樹を取っ捕まえようとしたら」
「したら?」
「佑樹走って逃げってたのよ」
花谷さんはそう言って横目で佑樹を見る、佑樹は少しばつが悪い顔をした。
「そりゃ逃げるだろ小1と思えない眼光で睨まれるんだぜ」
「何となく分かるよ」
俺は花谷さんに睨まれ萎縮する佑樹を容易に想像が出来た。それは怖かったろうな。
「酷いわね」
「それからどうなったの?」
「由香知らないの?」
それまで3人の会話を黙って聞いていた由香が
花谷さんに尋ねた。
「うん、知らないうちにみんな仲良くなってたから」
「由香、あの翌日佑樹は教室の外で扉に手をかけて固まっていたんだ」
俺は由香の質問にあの日の出来事を思い出す。
「固まっていた?」
「そうだよ、昨日の和歌を思い出すとばつ悪くてな」
「佑樹から事情を聞いて昨日泣かしちやった子を佑樹と探して、花谷さんを呼び出してね」
「そうよ佑樹ったら昨日のヘラヘラとうって変わって、
私達の前で真剣に謝るから私も怒れなくなっちゃって」
佑樹と花谷さんもあの日の事を懐かしそうに話した、
「そんな事あったんだ」
「由香と浩二も初めて会った時を覚えてる?」
「もちろん覚えてるよ」
花谷さんの質問に由香は即答で答えた。
「二人も知ってるよね私がここの小学校に来た理由」
「ああ」
「知っているわ」
由香がこの小学校に来た理由は花谷さんや佑樹も知っている。
幼稚園時代に同じ園児から受けた意地悪やからかいだった。
「入学式の日も私は怖くて朝から学校に行きたくないって泣きじゃくったの。ママ、ううんお母さんに宥められてやっと学校に着いたら一人ぼっちされて不安で泣きそうになっていたら先生がいきなり怒鳴り初めて」
「赤木先生!」
「そうだよ、赤木の婆さん、いきなりヒスるんだよ。苦手だったな」
「そうあの赤木先生。
その時よ浩二君。あなたが助けてくれたの」
「そうだよ。あの時僕達は初めて出会ったね」
「ええあの時私の運命は変わり始めたと思う」
「そうね浩二がいたから私達も運命が変わったのね」
由香の言葉に花谷さんが続いた。
「ああ浩二がいなきゃ今の俺達はいない。
俺達はこの小学校で浩二と会って良かった。
本当にありがとう」
「浩二ありがとう」
「浩二君ありがとう。これから中学校も宜しく」
佑樹に続いて花谷さんや由香が俺に感謝の言葉を言ってくれて、俺は気分が昂る。
「そうだよ、中学校も続くんだ。今日でお別れみたいになっちまってる、
浩二!これからも宜しくな!」
「そうよ浩二これから中学でも宜しく」
更にこれからも宜しくの言葉を受けて俺は自分の席を立ち上がり佑樹と花谷さんに言った。
「ありがとうみんな。
人との出会いが運命だよ。
僕も由香や佑樹、花谷さんに出会って本当に良かった!
この小学校に入って良かった!
この素晴らしいクラスメートや先生に出会えて本当に良かった!」
もう俺は笑顔で叫ぶような大声になっていた。
また教室に残っていたクラスメートが何?と俺達の方を見る。
「浩二君ダメ!」
「浩二止めろ!」
「みんな目を閉じるのよ!」
「「「ウワ~~❗❗❗❗」」」
卒業式までクラスメートに迷惑をかけてしまった。
職員室に知らせに行く。
先生は少し呆れながら言った。
「俺の教員人生おそらくこんなに保健室に生徒を連れて行った事はなかったな」
「すみません」
「だがな俺の教員人生これ以上の幸せを感じた一年もなかった。
山添、いや浩二。お前は俺の最高の教え子だったよ。
ありがとう」
先生から差し出された右手、俺も右手を差し出す。
「元気でな」
「ありがとうございます先生もお元気で」
「うむ。みんな待っているぞ、早く行きなさい」
先生は上を向いて俺を教室に行くように促す。
頬が光っている気が...いや気のせいだ。
昔の男の先生は泣かないのだ。
「ただいま。あれ?佑樹と花谷さんは?」
教室に戻ろうと帰って来ると廊下に由香一人がいた。
教室の鍵はすでに閉まっているようだ。
「先に帰ったわ。また連絡するって」
「そっか僕達も帰ろうか」
「ねえ浩二君」
「何?」
「いつだったか浩二君をいつ好きになったか聞いたよね」
そう言えば聞いた気がする。
「うん」
「教えてあげる」
「いいの?」
「卒業式の後で教えるって決めてたから」
「そうなのか」
「入学式の日」
「それって...」
「そうよ入学式、
あの時校庭で浩二君は私に微笑んでくれました。
あの時から私はあなたが好きになりました。
今も好きです。大好き!」
俺に抱きつく由香。
『チュ』
「ん?」
「今何か頬に....」
「ふふ。また連絡するね。
教室の鍵は私が返しておきます。バイバイ」
頬にに手を当てる。
(今当たったのは?唇?)
Oh!yeah!




