それぞれの様子。
時が過ぎ今1982年1月の冬休み。
俺は夕飯のカレーを食べている。
あの方がCMするカレーは甘い。
林檎とハチミツよりインドネシアにある島カレーの方が好みだが仕方ない一味をこっそりかけながら夕飯を食べていた。
「そう言えば浩二最後の模試の結果は?」
母が聞く。
「うんA判定だったよ」
「そう良かった、由香ちゃん達は?」
「大丈夫、由香は同じくA判定だったよ。
佑樹と花谷さんも推薦取れそうだって」
「良かったわ、一緒の学校に行けそうね」
母のにこやかな顔に受験が近い事を今さらながら思い出す。
俺は気になる事を考えていた。
前回の時間軸の時に来年6月じいちゃんが体調を崩してしまった事だ。
夏風邪を拗らせたと思い病院に行くと心臓が悪くそのまま入院となったのだ。
その後2ヶ月入院して退院したが体調は完全に戻る事は無かった。
人はいつかは死ぬ。
それは分かっている。
しかし少しでも長生きして欲しい。
未来は変えられる、しかし人の寿命までは変わらない。
今後の俺はその辺りをどうすれば良いのか?
答えの無い悩みが出来そうだ。
「有一、西村さんから手紙来てたわね」
母が兄貴に聞く。
「うん。アメリカから絵はがきが来てた。
中学校も楽しくやってるみたい。
友達一杯出来たって」
これも今回変わった未来だ。
前回は優子姉さんから兄貴に手紙は来なかった。
2年が過ぎた今でも兄貴の元に月1回は手紙が届く。
あと兄貴も順子姉さん達と仲良くやってるみたい。
去年の兄貴の誕生日橋本志穂さん美穂さん姉妹に坂倉さんを含めた4人で一緒に誕生日パーティーを橋本本家で開いたそうだ。
俺が受験だから家でやらずに橋本家でやると決めたそうだ。
女の子4人は体育祭以来仲良くなってお互いの交流も深めているみたい。
順子姉さんといえば英検の3級に先日受かったそうだ。
中学校1年生なのに凄い。
今じゃ優子姉さんとの手紙のやり取りも英語でしてて
順子姉さんが送った手紙の間違った英語のスペルや文法の誤りを手紙をコピーした物に添削してが優子姉さんから送られてきたと笑ってた。
扇本兄ちゃんは相変わらずだ。
勉強はクラスで1、2番をキープしつつ、最近は英語の勉強に力を入れている。
しかし英検3級に落ちてしまい悔しがっていたと順子姉さんに聞いた。
会話力は凄いけど書く方が苦手らしい。何で?
薬師兄ちゃんは順調な中学校生活をエンジョイしている。
テニス部を辞めて新しくクラブを設立した。
文化祭の活躍で学校の特例らしい。
メンバーはあの4人に加えてステージを見て参加を希望した合計10人程で全て1年生が占めるそうだ。
上級生がいると上下関係がかなわないって。
名前は学校側の命名で[秀星グリークラブ]に決まった。
本人達は[秀星ドゥワップブラザーズ]にしたかったらしい。学校側ナイス。
なお部室には<栄光の王冠>が神棚に飾られている。
<栄光の王冠>って何?
杏子姉さんは相変わらずピアノの練習に明け暮れている。
コンクールは2年以降で1年はしっかり練習するんだって。
薬師兄ちゃんとはどうなったのか聞いたが
マスターが気にしなくていいと言われた。
俺は薬師兄ちゃんのマスターではない。




