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楽しい合宿 その2

[3日目] 


 朝5時53分に起床して朝の散策に出掛ける。

 途中で祐一に会う。

 今日は驚かない。

 祐一よ、朝の服装が昨日と違うぞ。


 由香から借りた?


 祐一君お願いです、服を匂わせて下さい。


[朝食]  


 俺達3人の前には焼き立てのパンと出来立てのバター。

 塾講師達の手作りだと?

 牛乳も農場から朝一番で車で運ぶ等したそうだ。

 パンのおかわりもたくさんありますとの事。

 感謝の印しだと言われても他の生徒から向けられる目が痛い。 


 しかし俺はそっちの朝食が良いぞ。

 ご飯に納豆、焼き海苔、味噌汁、漬物。

 俺はパンよりご飯派だ。


 一つパンを食べたら正直残りは余る。

 まだパンは山盛りだ。

 なのでパンを他の生徒に分ける事にした。

 皆俺の前に並び、頭を下げてパンをひと切れづつ受け取る。

 最後に昨日騒いだ男子連中が残った。


 食べるかと差し出す。

 おずおず手を伸ばす男子共。

 その様子を近くで慈母の様に優しく微笑み、見守ってる由香。

 近くにいた数人の女子達が突然泣きながら胸十字を切った。

 どうしたか聞く。


 泣きながらひざまずき女の子達が言う、


『主よ』


 俺はあなた達の主人ではない。


[朝の自習] 


 俺の周りはみんなとてもみんな良い子。

 但し笑顔は自力で問題を解けた時のみに限定。

 由香の命令だよ、すまん。

 由香のグループは祐一のグループと合流。

 合間の休憩で女の子達は肌のケア方法、お洒落なファンシーグッズの話をしてる。

 祐一だけが中に居るのはなぜだ?


 一部の男子グループは由香、祐一、親衛隊を結成した。

 ハチマキを作ったり、掛け声をノートに書き込んでいる。


 勉強しろお前ら。


[昼食]  


 昨日の夕飯と同様に一部生徒と勉強しながら楽しい昼食。

 一部の女子がお菓子を作っている。

 昼の休憩と夜食に食べるって。

 塾の講師が作り方を指導していた。

 美味しそうなクッキーやスコーンの良い匂い


 だからなぜそこにいる祐一。


[授業中]


 集中しているように見えて夜の自習しか考えてないだろ。


[風呂]  


 今日は我慢出来ずに他の男子と庭で水を掛け合った。

 途中で下着がずれ、1人の男子のブツが丸出しになった。

 通りががった女子にブツを見られるトラブルあり。


 轟く悲鳴、講師達に皆怒られる。

 風呂の後、由香と祐一は一緒に施設の女子更衣室に行った。

『浩二君楽しみにしててね』と笑顔の祐一。

 また由香と一緒に風呂入ったな?


 羨ましい。


[夕飯]  


 今日が合宿最後の夕飯と言う事で、レクレーション大会が始まった。

 由香と祐一は当時流行したアイドルの扮装で登場。

 由香その衣裳は?

 自前?

 朝、祐一に貸した服といい、一体何着持ってきたのか。 


 祐一、お前は衣裳はどっから持ってきた?

 何、他の女の子から借りた?

 似合うから譲るって?

 一部の男子が掛け声勇ましく後から登場。

 ハチマキを巻いて揃いの掛け声。

 こいつらいつ練習したんだ?

 合宿には勉強しに来たのか?


 その後も手品や漫才、CMの真似等で盛り上る。

 最後に俺ご指名。

 家で練習した某アイドルの真似をする。

 前回の記憶では惜しくめ若くして亡くなられたあの方のヒット曲。


 ズボンを少し下げて歌う。

 数人の女の子は鼻血を出した。

 由香は驚いて真っ赤な顔をして見ていた。

 『ギャランドウ』のあだ名を頂戴されそうになるがお断りする。


 まだ俺には生えてません。


[自習]  


 最後の夜の自習と言う事で真面目だなと思ったら大半の生徒が半分寝てる。

 レクレーションの意味を間違ったな先生よ。

 由香と祐一は意外に元気、本来の自習を楽しむ。

 祐一、さっきからずっと顔が赤いぞ。


『風邪か?』と尋ねる。


 俺のせいと由香に怒られた。


[4日目] 


 朝6時15分起床。

 さすがに昨日の疲れが溜まっている。

 今朝はいないと思ったらいたら祐一と一緒に由香もいた。 

 祐一から聞いて羨ましくなって気合いで起きたそうだ。

 由香の頬が赤いのは気合いの跡か。

 2人の妖精に挟まれ夢のよう。


 片方は男だが。


[朝食]  


 昨日の混乱を避ける為皆同じ朝食。

 しかしご飯が美味しい。

 海苔の佃煮も絶品。

 聞いたところ最高の米を仕入れ朝から釜で炊いたそうだ。

 佃煮も焼き海苔を鍋で水を入れ、一から煮詰めたそうだ。


 先生あなたは料理人か?


[朝の自習] 


 最後だけあって。全員真面目に自習をしている、

 しばらくすると聞こえてきたのはすすり泣く声。


 敢えて聞くまい。


[解散式]


 皆俺達から離れない。

 くじ引きでバスに乗るメンバーを決めている。


 駅に着く。

 祐一は泣かなかった。

 来年一緒に仁政に行くから大丈夫との事。


『祐ちゃんまた来年ね』

 由香が言う。

『由香ちゃん、浩二君を宜しくね』って、

 いつ橋本から由香に呼び方を変えたの?


 電車が来る。

 今回は俺達の電車が先に来た。


「それじゃ元気でね!」

 やはり最後で祐一は泣いた、

 みんな泣いている。


 そうして合宿は終わった。

 合宿後のテストで殆どみんな過去最高の点数を取った。

 しかし一部の生徒は成績が上がらなかったそうだ。

 たぶんあいつらだろう。


 ちゃんと勉強しろ。


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