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兄ちゃんは1年生
昼過ぎになり、兄貴は小学校から帰って来た。
残念ながら今日は1人か。
「ただいま浩。
今朝どうしたの?僕びっくりしたよ。
心配だったけど学校に行かなくちゃいけないし、だから今日も家にみんなが来たいって言うの断って急いで帰って来たよ。
本当に大丈夫?」
兄貴の本当に心配そうな顔に申し訳なくなる。
いつも俺を心配してたんだ。
「大丈夫、心配かけちゃったね。
覚えて無いけど、僕怖い夢でもみたのかな?」
努めて明るい顔で返す。
「そっか、もう心配すんな!
今日は兄ちゃんが寝るまで浩を見ててやるぞ!」
兄貴の暖かい言葉、泣きそうになる。
「ありがとう兄ちゃん」
心からのお礼をする。
「それじゃ僕は宿題をするよ。終わったら後で一緒にリビングでテレビでアニメ見ような」
そう言って部屋に行く兄貴。
やっぱり兄貴すごい、帰って先ず宿題するなんて。
俺なんか晩御飯の後か、下手すりゃ学校に行くギリギリ前か、最悪学校に着いてからだった。
今世では絶対すぐ宿題をしよう。
そう誓う俺だった。