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作戦会議

 翌日いつもの時間、今日も由香と待ち合わせ。


「おはよう浩君」


「おはよう由香」


 先に待っててくれた由香といつもの挨拶。


「どうしたの?いつもの浩君の笑顔じゃない」


 俺の顔を見るなり由香は何かに気がついた。

 なんて勘が鋭いんだ。


「昨日兄ちゃんが岸島中学校には行かないで学芸中学校に行くって話を聞いてさ」


「え、お兄さんあの学芸中学校に行かれるの?」


「いやまだ受かってもいないから決まった訳じゃないけど」


「でもお兄さんの成績なら大丈夫じゃないのかな?

 浩君の心配事ってやっぱり...」


「うん、兄ちゃんの友達の事」


「特に十河順子さんでしょ。

 順子さんお兄さんの事が好きだから」


「由香分かるの?」


「バレバレですよ。

 後は西村優子さんも兄さんの事が気になっていると」


 由香は余り順子ねぇちゃんや優子ねぇちゃんと会った事が無いのに。


「学校で少し一緒に話をしたり、みんなでやったクリスマスパーティーで少し一緒に遊んだ事があるだけで良く分かるね」


 思わず聞いてしまう。


「好きな人を見つめる時の女の目って直ぐに分かるものなのよ。

 で、浩君はどうする?」


「分からない。

 兄ちゃんは話をしたらしいから、みんなの話を聞いてみるよ」


「聞いてどうする気?」


「どうって...」


「お兄さんの進学の意思は固いんでしょ?

 そして学芸中学校はとても合格するのが難しい学校。

 一緒に学芸中学校に行ける未来は殆どないわ。

 そんなみんなに浩君はなんの話を聞くつもり?」


「うん...そうだね」


 由香の指摘に俺は黙りこむ。

 考え無しの行動はダメなのか。


「あのね、私は違う学校に行ってもお互いが好きな人同士ならそんなに問題ないと思うの。

 遠くに離れても2人が愛し合ってるなら大丈夫よ」


「愛し合うってそんな」


 兄貴と誰が?

 俺と由香なら...まだ小4だよ?

 そんなの早いって!


「なに考えてるの浩君?

 それだけ好きって意味だよ!!」


 そうか、由香怖いよ。


「つまり兄ちゃんに恋をさせろと?」


「そうよ、浩君もその為に色々やって来たんでしょ?」


「何で分かったの?」


「それもバレバレだよ」


「そうだったの?」


 そんな、極自然にやってたんだけど。


「兄さんの隣に十河さん座らせたり」


「うっ!」


「お話しをお兄さんから急に西村さんに振ったり」


「げっ!」


「不自然過ぎて直ぐ分かった」


 まさか、由香に見抜かれていたのか。

 って事は順子ねぇちゃん達も気づいていたのか。


「さりげなくやってたつもりなんだけど」


「あのね浩君、お兄さんは恋には鈍感だよ。

 すっっっごい鈍感。

 けどね、浩君もかなりの鈍感なんだよ」


「えっ僕も?」


「そうだよ。

 問題です、私が浩君を好きになったのいつでしょうか?」


 何その質問?

 なんと答えたらいいか分からない。


「答える!」


「は、はい。小学3年の始めくらい?」


「ブー!外れ、もっともっと前です」


「そうなの?」


「そんな浩君がいくら仲を取り持とうとしても駄目。もっと作戦立てなきゃ」


「作戦?」


「そうよ。私も協力する」


「いいの?」


「もちろん!」


「ありがとう感謝します」


「どういたしまして。

 まずは十河さんと西村さんの本当の気持ちを聞く事かな?」


「本当の気持ち?」


「ただ聞くんじゃ駄目。

 どうなりたいか、諦めるのか、本当の気持ちを聞くのよ」


「誰が?」


「浩君が!!」


「はいっ!」


「よし。さっ学校行こ」


「由香、性格変わった?」


「色々あったの!」


「由香いつから僕を好きになったの?」


「言わない!!」


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