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現状把握、今後の対策

 大変だった水疱瘡も乗りきり、いよいよ小学校への入学に備えていた。

 兄貴はそろばん塾に行って部屋には俺一人、後1時間近くは帰って来ない。


 机に向かい一人考える。


 今回の時間軸の中で俺は上手くやって来たと思う。

 しかし、それは兄貴の弟で保育園児だったから上手く行った事が大きい。


 この春から俺は兄貴と同じ小学校に入学する。


「今までと同じように過ごす訳にはいかんよな」


 机の裏に隠してある兄貴の小学校生活改善計画ノートに手を伸ばす。

 中にはこの10ヶ月間に書き込んだ日記、把握した兄貴の友達やら周りの女の子の名前、性格等を書き込んだページが目に入る。


『現状把握』


 先ずは兄貴の友人関係。

 固定メンバーは相変わらずだ。

 今でもよく家に来て遊んでいる。

 男の友人2人は今や親友と言って良いだろう。


 女の子の友人達は、

 順子ねぇちゃんは兄貴に対する好意を確実にしつつある。


 優子ねぇちゃんは、そんな順子ねぇちゃんを見ながら兄貴に対する気持ちに戸惑いながら好意を抑えているように感じる時がある。


 杏子ねぇちゃんは、兄貴に抱いてる感情が何なのか良く解って無いみたいだ。


 それより坂倉さんだ。

 あの子は前回居なかった、イレギュラーな存在。

 そろばん塾の前で兄貴が来るのを待ってるし。帰りも坂倉さんの家の方向が違うのに、兄貴と一緒に家の近所まで来るようになった。


 最近では門限ギリギリまでそろばん塾に兄貴と残り、兄貴と分かれた後自転車で急いで帰るようになったと順子ねぇちゃんの従兄弟の美樹姉さんから聞いている。


 兄貴はいつもの鈍感さで坂倉さんの好意に相変わらず気づかず、一緒にそろばんの腕を競う仲間と思っているみたいだ。

 坂倉さんは隣町の小学校だから、学校での接点は無い。


 しかし兄貴は2年に上がると近所の学習塾に通う。

 そこに坂倉さんも通うと言ってるらしい。

 俺は坂倉さんが嫌いな訳じゃない。

 しかし俺に向けてくる目が少し苦手だ。


 まあ良い、話は戻って俺が小学校に入学してからの学校における立場だ。


 前回の時間軸のように立ち回って同級生の女の子達と対立すると、兄貴の立場が不味くなる。

 学年違いとはいえ、男子と女子の対立は兄貴の学年に悪影響を及ぼしかねない。


 確か優子ねぇちゃんには年子の妹がいた。

 名前は確か恭子だったかな?

 大人しい性格で俺の前回の時間軸の時は表だって揉めた事は無かったと思う。


 しかし男子と女子の対立は何処に飛び火するか解らない。

 兄貴みたいに上手くやれたら良いんだが、余り自信が無い。


 しかし、やれるだけやってみよう。

 兄貴の為、周り全て、みんなの為だ。


 誓いを新たにノートをしまうのだった。


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