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素敵な仲間達

夏休みがいよいよ終わろうとしていた。

川井さん達と親しくなったが余り詳しく聞く事が出来ない話なのでそれとなく聞く事に終始していた。


「情報が足りないな」


「川井さん達と気軽に話せる仲間が欲しいわ」


「仲間?」


「聞きにくい事をサラッと聞けて不自然さを感じさせない空気を出す人がいいよね」


「そんな人...いたな」


「ええ、私達の親友の事よ」


2学期が始まり久し振りに佑樹と花谷さんに会う。

校舎の廊下でひさびさの立ち話し。


「浩二久し振りだな」


「佑樹も日焼けしたな」


「毎日炎天下でランニングしてみろ2日でこんがり焼けっちまうぜ」


「1週間の合宿だったっけ?」


「10日だよ、参った参った。でもよ、みんな凄い気合いと運動量だ。中学校サッカー侮れねぇぜ」


日に焼けた顔に白い歯。

ラブメモリーを歌うしげるさんみたいだ。

こちらは本家よりかなり大柄だけど。


「和歌ちゃんも焼けたわね。

剣道って屋内でやるのに何でこんなに焼けたの?」


「こっちも毎日炎天下でグランド10周よ、そりゃ焼けるわよ」


「それに剣道部の和歌はな...」


「何川口君?」


「佑樹に言われる前に先に見せるわよ!由香はい」


花谷さんは両腕を差し出す。


「あれ?腕は真っ白! 手の甲まで! どうして?」


「毎日防具をを全部着けて竹刀を持って裸足でグランド10周よ」


「よく倒れないね」


「体調の優れない者はリタイアしていいルールなんだけどみんな頑固で誰もリタイアしないのよ」


「しかし変な焼け方になったな、柄のおかしなパンダみたいだ」


「佑樹うるさい!!」


「おはよう久し振りに見たわね」


「いつも楽しそうとは思っていたんだよ」


「おはよう川井さん」


「おはよう瑠璃ちゃん」


「おはよう由香、浩二君」


「おはよう孝」


「なんだ随分親しそうだな?」


「そうね夏休み前は2人共山添君、橋本さん呼びだったのに。由香、瑠璃ちゃんだって」


「そうだ、孝って青木の事か?」


2人は少し怪訝な顔をする。

やはり親友をとられたような気がするのか?


「和歌ちゃん川口君今日帰りにみんなで例の喫茶店に行かない?」


「え?」


「急に何だよ」


「川井さんと、青木君の事を知って貰うのに一緒に話したいのよ」


「川井さんと、青木君の都合は大丈夫なのか?違う駅だろ?」


「大丈夫、由香から話は聞いてる。ちゃんとお母さんに言ってきたわ」


「俺も今日は大丈夫だ」


「佑樹、行きましょ川井さんと話もしたいし」


「そうだな分かった。浩二、コーヒー奢れよ」


「分かった分かった」


「それじゃまた昼に食堂でな」


昼は川井さんと青木君は教室で仁政の内部進学組とお弁当を食べる。

急に俺達のグループに近づき過ぎるとまた北川や中西さんの反発を招きかねないからお互いに自重していくように話をした。


「浩二君由香ちゃん和歌ちゃん佑樹、久し振り!」


祐一は元気に挨拶する。


「おい何で俺だけ呼び捨てなんだ?」


「あれ?佑樹も佑樹ちゃんって呼んでいいの?」


「呼び捨てでお願いします」


相変わらずの祐一を加えた5人での昼食。

俺は日常が戻って来たのを実感する。


「そうだ、祐ちゃん今日は私達ようじがあるから自習に参加出来ないの」


「えー残念」


「ごめんね明日は参加するわよ」


「うん。明日絶対だよ。由.香.ちゃん!」


(なんか祐一は何処に向かうのだろう?)


そして迎えた放課後。

俺達と佑樹、花谷さん、川井さん、青木君の6人は喫茶店に集まった。

6時前の喫茶店入るのは少し躊躇するが、堂々と入る佑樹と花谷さん。さすがだ。


「さてと、マスター先に飲み物注文するね」


「はいかしこまりました」


「俺はコーヒーだな」


「僕もマスター今日の豆は?」


「コナです」


「それじゃコナコーヒー2つね」


「私はミルクティーで今日はウバでお願いします」


「私も同じ物を」


「私はここ一番の抹茶よ」


「すみません僕はロイヤルミルクティーを下さい」


最後に青木君の注文で終わる。


「さてまずは遅ればはせながら自己紹介と行こうかな。

浩二と橋本は要らねえぜ。

まずは俺から、川口佑樹だ。知っての通り浩二達と小学校1年からの親友だ。

今は体育コースの1年A組でサッカー部だ。」


「私は花谷和歌子。佑樹と同じよ由香達とは小学校1年から親友よ。

1年A組女子剣道部所属」


「ありがとうそれじゃ僕から言うね。

青木孝、仁政第一には幼稚園から入った。

1年G組で委員長をしている」


「最後に私は川井瑠璃子、私も仁政には幼稚園からよ。1年G組で副委員長をしているわ」


「それじゃまずは浩二君達と知り合ってからの事を詳しく言うね」


青木君の話が始まった。駅で北川達に絡まれた事、自習室の事、最後に川井さんの話。

さすが委員長、よどみ無く話す言葉は鮮やかですらある。


「良い子なのね、瑠璃ちゃん」


(泣いてるの花谷さん?)


「ああ感動したぜ。川井さんを支える青木君の男心」


(佑樹まで?)


「川井さん!」


「は、はい」


「青木君!」


「ハイ!」


「俺達は今日から親友だ!」


「そうよ私の事を和歌って呼んでね」


「おお俺も今日から佑樹って呼んでくれな、孝!」


「あ、はい」


「お待たせしました」


話が一段落したところで飲み物が運ばれて来た。

6人分同時だ全て出来たて。よくタイミングが合うな。

しかも話が一段落するタイミングで、凄いよマスター。


「ここの紅茶美味しい!」


「美味しいでしょ。この前瑠璃ちゃんの所で飲んだアッサムも美味しかったけどここのウバもいけるでしょ」


「え?何でアッサムって知ってるの銘柄言って無いのに?」


「由香の鼻はポメラニアン並みに効くのよ」


「和歌ちゃん、犬並でいいんじゃないの?」


「和歌子さんの抹茶も美味しそう!」


「私、紅茶も最近由香の影響で飲むけどやっぱり抹茶が一番なのよ、少し飲む?」


「いいの?」


「親友だもん」


「お?孝は紅茶か、良い匂いだな」


「コーヒーもたまに飲むんだが大概は紅茶が多いな」


「良いじゃねぇか、俺も最近紅茶の良さが分かったぜ」


「佑樹が?」


「おお和歌と紅茶飲むと余った紅茶を少し貰うんだなかなかいけるな」


「え?それって間接キ...」


「こら佑樹話すな!」


「わりぃわりぃ!」


「なんて気持ち良い仲間でしょう」


「川井さん?」


「この素晴らしいグループに入れて私幸せです」


「僕もだ」


「これからも宜しくお願いします」


「ああ、これから宜しくな」


「こちらこそ、宜しく」


素敵な仲間が加わった。



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