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第1章[表]・クラス分けテスト①



昨日無事に入学式を終えた日連魔法戦闘高等学校

そして勇斗達新一年生にとっては今日からついに高校生活がはじまるのである…といっても今日から3日間はクラスを分けるための測定やら何かは知らないがクラス分けに必要な儀式があるらしいのでまずはそれを行わなければいけない

予定としては初日に身体測定含め体力含め運動がどれほど出来るかのテスト、そして2日目には学校の教員を相手として行われる模擬戦にて現時点での戦闘力の測定、それらを終えた最終日に例のレアスに存在している特有の儀式を行うといった感じだ

要するにこれらの結果を見て成績がいい順にクラスを分けていこうということなのだと思う

今年の新一年生はおよそ300人

それを6クラスに分けるということは1クラス約50人

そして上のクラスになればなるほど授業の質や学校側からの待遇が良くなるとのことなので誰もが張り切って今日からの3日間に望むことだと思われる

もちろん勇斗もその中の1人だ

といってもどの物事にも必ず例外はいたりするのだけれど


そんなわけで上のクラスを目指してやる気を漲らせて登校している勇斗と優奈

相も変わらず仲良く2人で登校中のようすだ

ちなみに昨日は勇斗が興奮のあまり先に家を出て学校を見て感動していたというだけでありこの2人は小学校のころ仲良くなってからはずっと朝は2人一緒に登校している

そんな2人の様子を見ればカップルにしか見えないのにも関わらず、今の今まで進展がさらさらないのは完全に勇斗に問題があるとしかいえない

よくある鈍感系主人公様である

ちなみに勇斗は完全にイケメンリア充的な存在であるがためにハッキリ言ってモテる

けれども一応これまでは大抵の人が勇斗と優奈のやり取りを見て自然を身を引いてくれていたので特に男女間のいざこざなんかは数件を除いて全く起こらなかったのだ

その数件のうちの1件は言わずもがな夏菜である

そんな夏菜も今では優奈と協定を結び表上は平和に、だけど水面下では熾烈な争いを繰り広げており度々勇斗が止めるような事態もおこしていたり

こんな3人の関係は高校生活を過ごしていくうちに更にややこしくなっていくのだけれども現時点では神のみぞ知る話というわけ


そして制服姿…ではなくこれまた黒を基調とした学校指定のジャージにて登校している2人は今日から行われるクラス分けテストについてやる気を見せながら話をしている


「今日からクラス分けテストがはじまるけど勇斗はちゃんと調子整えてきてるんでしょうね?」


「勿論だよ。今日ある身体測定に運動能力の測定、それに明日には先生達との模擬戦があるからね。ちゃんと休みの間にもトレーニングは欠かさずして今日に向けて調子は上げてきてるよ。そう言う優奈はどうなの?」


「私もバッチリよ!目標としては1番上のクラスに行くつもりだからね。最終日は何やるか分からないからおいとくとしても他の2日でやるテストは全力で上を目指すわ!」

そう意気込む優奈に


「僕も1番上のクラスを目指して頑張るよ。2人で同じく1番上のクラスに入れるようにお互い頑張ろう!」

そんな意気込みを返して見せる勇斗

2人共にやる気は十分の様子だ

だがほぼ全ての新一年生が2人と同じ目標を持つ

その中で上位50人にはいるのはなかなかな難しいところだろう

特に初日と2日のテストを上位で乗り切れたとしても最終日にある例の儀式

こればっかりは何が起こるか分からない

それを理解しているのか2人はそんな感じの内容を話し、最終日に行われる事を予想すると同時に警戒しつつ学校へと歩みを進めていき、途中で夏菜と合流したのち予定されていた集合場所へと辿り着くのであった










そして場所は変わりここは第1グラウンド

間もなく集合時刻になろうかという現時点で既に新一年生ほぼ全員が集まりこれからはじまるクラス分けテストを今か今かと心待ちにしている

やはりこの学校を目指していた少年少女ばかりであるために中には少なからず普通の高校生とは異なる雰囲気オーラを身に纏う者達もいる

今の日本では魔精力を用いた戦闘を行える人材を増やすことを目下第一の目標としている

そしてその目標のために作られたのがこの学校

ソティシアからの協力をもとに国が設立

手厚い保護と日本における安全性のかなり高い場所、更には卒業さえ出来れば確実に将来が約束されているといった面からもこの学校が絶大な人気を誇る理由が伺えることだろう

だが逆に言えば卒業まで辿り着くことが出来ていない人が少なからず存在しており、その人自身の能力以外では一切の融通が聞かないことも示唆されている

なのでこの学校に入ることを決めた時点でそれなりの覚悟、しいて言うならば魔精力を用いた戦闘に関する知識やそれなりの力を持っていないとついていけないということは理解している

そういった人達が無事にこの学校へ入学出来ているのだ

今の流行りだから、なんかかっこいいから、なんて言った軽い気持ちでこの学校を志望した人なんかは軒並み不合格となっていてほぼいないと考えてもいいくらいだ

そんな中、それ以外のとんでもない理由でこの学校を志望している者もいるけれどもそんな特殊な奴は片手で数えることが出来るほどしかいない

要はみんながみんなやる気十分ということ


そしてついに予定の時刻になる


「新入生の諸君!おはよう。私は1年の学年主任である斎木悠介さいきゆうすけだ。事前に渡してある資料を見て理解していると思うが今日から3日をかけてクラス分けのテストを執り行う。注意事項諸々は把握しているのを前提とした上で行っていくつもりだ。それではさっそくテストを開始する!まず何グループかに分けるため我々教職員の指示に従ってくれ!」

そう台の上に立っている体格の良い教師がスピーカーを用いて声を飛ばす

台の上1人、そしてその横に5人教師がいることからもこの6人が新一年生達の担任団なのだろうか?

そしてそのあと新一年生達は名前順で呼ばれていき6グループへと分けられる

この後勇斗達が行うことは身体測定・体力テストの2つである

ちなみに身体測定では身長・体重・座高・視力・聴力、そして魔精力の測定を、体力テストの内容はシャトルラン・立ち幅跳び・握力・ハンドボール投げ・100m走・上体起こし・反復横跳び・スクワットの8種目である

これを6グループで上手い具合に回していこうということなのだ


「よし!きちんとグループごとに担当の教員を把握したな。それでは本日のクラス分けテスト開始だ!」

そんな斎木の指示の元、各グループは担当の教師に導かれてそれぞれの場所へと散っていく

今回勇斗は優奈や夏菜とは離れてしまったがテストの内容としては他人と協力するのではなく己との戦いであるものしかないため特に問題はない


(とりあえず3日目がどうなるか分からない以上今日と明日でいい成績を残さないと!)

そう意気込み勇斗は自分のグループの後ろの方をついて行く

そして初日の身体測定・体力テストは着々と進んでいき、日が真上に位置する頃には無事に終わりを告げたのであった











そうして初日を終えた帰り道

勇斗達3人は今日の結果を話し合うべく、学校の近くにあるファストフード店へと来ていた


「それで2人はどんな感じだったの?」

そう話を切り出したのは優奈

どうやら優奈は自分の結果にある程度自身があるらしく少し普段より明るい様子だ


「僕は思ったりより伸びていたよ。これも休みの間に欠かさずトレーニングをしていたおかげかな」


「わたしはあんまり伸びてなかったよ〜。これじゃ明日と明後日頑張らないと1番上のクラスは無理かも…」

そう答える2人の様子は対極で、勇斗は結果が予想よりも良かったらしくて明るく、逆に夏菜の方は伸びが思ったりより良くなかったらしく落ち込んでいる様子

特に夏菜の場合明日の模擬戦でも勇斗と優奈よりも結果を残すことはかなり難しいといってもいいが故に今日の結果で2人に並んでおかないと2人と同じクラスになるという希望は叶わない

それが分かっているために落ち込んでいるのだ

といってもまだ結果を比べてないので落ち込むのはまだ早い


「それじゃあ結果を比べて見ましょ!まずはシャトルランからでいいわよね?」

そう優奈が2人に聞くと2人は頷いて了承したのでそのまま優奈は話を進めていく


「じゃあせーのって言ったら一斉に言うってことで」

と言い1拍おいてから続けて言う


「せーの!」


「135」


「151」


「128」

3人がそれぞれの結果を口にする

その結果は平均的な高校一年生からするといい成績と言えるであろう

だが3人が通うのは普通とは異なる学校

油断はできない

そうして3人は他の結果も続けて言っていく

その結果はこんな感じ


握力

勇斗→64kg

優奈→56kg

夏菜→44kg


反復横跳び

勇斗→64回

優奈→58回

夏菜→68回


立ち幅跳び

勇斗→289cm

優奈→275cm

夏菜→290cm


スクワット

勇斗→52回

優奈→45回

夏菜→46回


上体起こし

勇斗→48回

優奈→42回

夏菜→44回


ハンドボール投げ

勇斗→48m

優奈→28m

夏菜→20m


100m走

勇斗→11.64秒

優奈→12.85秒

夏菜→13.42秒


とりあえず体力テストの結果を教えあった3人

比較的誰もがどれもいい成績を取っているとは思えるのだけれども他の人はどうなのか、もしかしたらこれだと平均にも届いていないのかもしれない

そんな不安が3人の胸の中をよぎるが気にしても分からないことなので気にしないことにする

そして次は最後の測定結果……魔精力だ

これだけはBより上だと素質がありほかの人より優位に立てるといった情報が噂ではあるが出回っているために結果次第では少し安心を得られる


「それじゃあ…最後に魔精力!せ〜の!」

そんな優奈の合図の元で3人が口を開く

そして奇しくも3人が発した言葉は同じものであった


「「「Aランク!」」」

その瞬間3人が3人とも耳を疑った

なんせAランクといえば魔精力のランクで上から3番目

とはいえ1番上であるSSランクは確かである確証はないが現在世界中の国々全てのうち合計で僅か6人しか確認されていないとのこと、加えてSランクもそこまで多くはないとの話であるので実質的にはかなり優秀といえるランクだ

そんなランクが今この場に3人も

しかも友達同士でだ

なかなか凄い確率だろう

類が友を呼んだ、という可能性もあるけども


「2人もAランクなのねっ!ということは2人と同じクラスになれる確率が高くなったわね」


「噂どおりならその確率は高いね。それにしても珍しはずのAランクに3人が3人ともなるなんて凄い偶然だよ」


「わ〜い、わ〜い。これで勇ちゃんと優奈ちゃんと一緒になれる可能性が高くなったよ!」

そうなんの確証もないことを口々に言う3人

もちろん3人が言っていることはあながち間違っておらず、日連魔法戦闘高等学校では魔精力のランクを重要視しているためにこれが平均よりも上となるとかなり優位に立てる

というよりも初日に行われた測定の中でクラス分けに関与するのが魔精力のランクのみである…という事実もあったりするのだけれどもこれは勇斗達生徒側では知る由もないことである

これが知られていたら大抵の人はきっと手を抜いただろう

それに加えてこれは新一年生ならばほぼ全員が知らないことではある3日目に行われる儀式

これに魔精力が関係している

よって魔精力のランクが高ければ高いほど3日目の儀式においても優位に立てるというわけだ

つまりこの場にいる3人は今年度のクラス分けテストにおいて既に優位に立てているといっても過言では無い


そんなことはさて知らずが3人は喜びつつも明日行われる予定の模擬戦の話へと話題を移していく

日連魔法戦闘高等学校で教師になれるような人物

只者であるはずもない

つまりはそういう事だ

どこまで新入生が食らいつけるのか、はたまたそれ以外にも何か判断のポイントがあるのか、といった話をしていく3人

そしてそのままある程度の予測を立てた3人は解散し明日に備えて十分な休息をとるのであった








……To be continued

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