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第1章[裏]・過ぎ行く学校生活



時は少し進み学校をおえて帰宅した光夜

そして今日の学校自体はあのあとすぐに終わってしまったのでまだ小学校に行っている雛も帰宅していない時間帯

といってもあと1時間もすれば恐らく家に帰ってくるだろうしそんな雛の迎えはあの2人に任せてあるので光夜は4人分のお昼ご飯を作るべく、手洗いうがいをして着替えてから調理へととりかかる

そんな調理中の光夜が考えているのは今日学校であったことについて


何故か刹那とチームを組むことになったのは別にどうでも構わない

そして悠介が教室へと戻ってきたときに「お前らたったの2人でチームを組むことになるがそれでも大丈夫か?」と問われ、それに刹那が「問題ありません。このクラスでは私達のチームが1番強いので」と威風飄々とハッキリ答えたのもまぁ別にいいだろう

だが何故かその台詞を聞いた他のクラスメイト達がこぞって刹那ではなく光夜へと怒りといった様々な感情のこもった視線を向けてきたことだけは腑に落ちない


(初日からいきなりぼっちコースかぁ…。まぁそれぐらいなら別にいいけど意識を向けられて認識されるのは色々面倒臭いな。担任の話だと今日組んだチームでなんか武闘会みたいなのやるらしいし、それに加えてそこである程度結果出さなきゃ進級に響くとか言うし。はぁ……めんどくさ。これも全部あいつと関わってしまったせいなのかね)

器用な手つきで料理をしつつもそう考えて若干気落ちする光夜

光夜からしてみればそもそも学校生活自体を人の陰で適当に3年間過ごせればいいなぁ的な感じで思っていたし、ぼっちはともかく数人は話せる人を作りたいかなとは思っていたのだ

それがまさか初日からいきなりクラスメイトの大半から敵視されるようなことになるとは誰も考えてはいなかっただろう

それに刹那の発言のせいで悠介からも期待の眼差しでみられていたのもある

これではいダメでしたーとなったらは進級試験の時に不利になることもあるかもしれない

そう考えるとかなりしんどい

それらを考えてみると今日一日で起きたことで光夜にとってプラス(?)となったことといえば、刹那という話せる人が出来たことぐらいだろうか

……あとは全部光夜的にマイナス事項である


そんなこんなで手を休めることなく料理を続け、もうじき完成といった頃合いで玄関の扉が勢いよく開かれ元気な声が部屋に響く


「パパ!たっだいまー!」

その声を聞いた瞬間に光夜の陰鬱とした気持ちは晴れ、逆に光夜の心喜色へと染まる

そしてそんな雛から少し遅れて2つの声が聞こえる


「今帰ったぜいコウ」


「ただいまコウヤ、思ったより早かったのね」

そう言いつつテンとミアも帰ってきたようだ

そんな3人に光夜は声をかけつつ昼食の準備を続ける


「おかえり3人共、お昼ご飯作ってるから手洗いうがいをしてからこっちにきな」

そう言われ「はーい!」と元気よく返事をした雛を筆頭に3人共が手洗いうがいを済ませ、テンとミアの協力のもと雛を制服から普段着へと着替えさせてから食卓へと着席する


「「「「いただきます!!」」」」

そう4人が言うや否や雛は昼食を勢いよくたべ始める

その光景は見慣れたものではあるが光夜達3人からすれば全く見飽きずに見れるものであり自然と頬が緩む

そんな雛を横で眺めながら光夜達も自分の分を食べ始めるがここで普段は静かな食事風景が光夜の学校初日とあってか珍しく会話がはじまった


「で学校はどうだったんよ、コウ」

そう光夜に視線を向けて問いかけるテン

そんなテンと同じことを聞きたかったらしいミアも光夜へと視線をうつす

もちろん雛は一所懸命に昼食を食べているので全く気にしていない


「あぁ…学校ね。……とりあえず友達100人作れるような感じにはならないかな」

ほんの少し前の出来事を思い出しため息混じりにそう伝える光夜

そんな光夜の目は完全に死んでいる


「またいきなりね。てっきりコウヤのことだから友達はあんまりいらないけどこれからちょっとずつ話し相手が増えていくような立ち回りをすると思っていたわ」


「オレっちも同じこと考えていたぜ。でコウ、結局なにがどうなってそんなことになったんよ?」

2人から完全に思考を読まれている光夜

決して浅くない繋がりのある3人であるからこそテンとミアは光夜の考えていることや感情をある程度把握することが出来るし、逆に光夜の方もテンとミアの雰囲気や様子オーラから2人のことをある程度理解することが出来ている


「どこから話せばいいかね……。まぁとりあえず話し相手となる人は1人は出来たよ」

そう光夜が応えると少し驚きを露わにする2人

なんせ家族以外に一切心を開かない上に関心を持たない、かつ今まであの事件から他人とまともに関わっていなかった光夜がまさかの学校初日から友達となりうる人を確保出来たというのだ

これを驚かずして何を驚くか

テンとミアからしてみればそのレベルである

そんな2人をみて光夜は若干不満げに言う


「2人ともそこまで驚くことか?別に話し相手が1人出来たくらい普通の高校生なら当然だろ?」

そんな光夜の言葉にテンとミアは声を揃えて答える


「「コウヤ(コウ)は普通じゃない」」

めちゃくちゃ失礼な2人である

そんな2人に内心こいつらあとで何かしらで仕返しでもするかと呟きながら光夜はテンの質問に対する返答の言葉を続けていく


「話を戻すけど簡単にいうならその人とチームを組むことになったんだよ、何か再来月あたりにある武闘会(?)的な何かに向けての。それでそれだけなら別にどうでもよかったんだけどそのチームを組んだ人が…まぁ簡単に言ってクラスメイト全員に啖呵をきったって感じかな。そのおかげで一言も発してないはずの俺まで敵視されるしまつだった」

そう言い遠い目をする光夜を慰める2人


「それは災難ね。私からは頑張って前向きに学校生活を続けてねとしか言えないわ」


「オレッちとしては話し相手が1人でも出来たことを喜ぶべきだと思うぜい。それにこれからあまり目立たずにのんびりしてりゃきっと自然と目立つこともなくなるはずさ」

ミアとテン

それぞれに励まされちょっとだけ嬉しくなる光夜

確かに前向きに考えれば少なからず話が出来る相手は確保出来たようなものだし、案外あれぐらいの素質を持った人の傍にいると面白い出来事が起きるかもしれない

そう考えるとちょっとだけではあるが学校生活に対しても前向きな気持ちになれる


(とりあえずのんびりやりますか。実際何の力にもならなくていいって言われてるからあの人による強制特訓なんかもないだろうし。俺は俺で進級試験に関わるイベントまで適当に過ごそう)

さっきまでとは一転して前向きにこう考えることが出来ている光夜

だがそんな少し表情のはれた光夜に対してテンが呟く


「でも運が悪ければ光夜はぼっちコースまっしぐらなんだよな。……高校生活ぼっちとかウケるw」

そんな声量はそこまで大きくないがこんな煽りともとれる発言を光夜が聞き逃すはずもない

この言葉を聞いた瞬間夕食がテンの嫌いなもので構成されることになったのであった

そしてその日の晩にテンは悟る

台所の主に喧嘩を売るべきではないと……









そうして初日から少し予想外なことも色々とあったかもしれないが光夜の学校生活の日日は刻刻と過ぎ行く

例えば最初に受けた基礎戦闘学の授業でいきなり刹那が魔精力を並程度にはコントロール出来ることをあかしたことで、何故か光夜も揃ってのチームとしていきなり講師と模擬戦をさせられたり

そして模擬戦をさせられたかと思えばいきのつく暇もなく次の魔法戦闘学の授業においてのんびりと座学を聞き流すつもりだったにも関わらずいきなり実践をすると宣う講師によって予定を変えられたり


そして体育(という名の何か)でも案の定クラスメイト全員から真っ先に狙われるというバトルロワイヤルを開始され、逆に刹那の無双によって全て返り討ちにしてしまったことでさらなる悪目立ちをしたり

流石に実践のない座学オンリーである精霊学をのんびりと受けることが出来るかと思えば、まさかの講師がエリート思考であり精霊契約が出来ないなんて信じられないと言わんばかりの発言をしまくったせいで刹那のストレスが溜まり、初日に強制はしないと言っていたはずの訓練をさせられたり

と様々な不幸が光夜に降りかかった


もうこの時点で光夜のモチベはほぼ地についている

それでも光夜が高校へと通い続けているのは雛達3人のためがほとんどであり、早くこの状況なんとかならないかなぁと考えつつ学校生活を送り続けてもう早くも2ヶ月

ついに明日は光夜にとってはどうでもいいが他の新入生にとってはたいへん待ち遠しいものであった学年別チーム対抗戦が開催される日となっていた

もちろん光夜と刹那のチームもチーム名<下克上>と名前からしてAクラスなんか倒してやると言わんばかりの雰囲気を醸し出しながら参戦している

当然刹那な誰にも負けない気持ちで挑んでいる

その証拠に対抗戦が近づくにつれ刹那が学校を休む日がではじめ、学校に来ている日でも何故か常に戦闘体勢をとっているかのような感じであった

余程このクラスにいることが不満なのだろうか

いや、実際にはかなり不満なのだろう

なぜなら刹那は現在の実力で言えば確実に新入生のトップ争いに名乗り出れる程の技術と力がある

それに関しては教員達も皆認めるレベルだ

ちなみに光夜は全くもって気づいてはいないが刹那はこの学校の3年次生に姉を持つ

それがどう関係しているのかは光夜には分からない

むしろ全くもって興味をもっていないといった方が正しいだろう


なんせ刹那にとってこの対抗戦は意味あるものだったとしても光夜にとってはさほど大事ではない

困るとすれば一瞬で負けて悠介からの認識を悪くすることだけであろうか

だから光夜も流石に手を抜き過ぎず、かといって全力で戦うことのないようにするつもりである

狙い目としては3回戦までいけたらいいだろうか

その過程で上クラスのどこかのチームでも倒すことが出来れば問題ない

そう結論づけた光夜は明日に備えていつもより少しだけ早く眠りにつく


そんな光夜が寝る前に考えていた事は至極単純


(明日どうやって勝ちに貢献して、どうやって手抜きがバレないように負けよう)

といった真面目な生徒が聞けば激怒するようなことであったりする






……To be continued

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