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第1章[裏]・そして出会う



3人から笑顔で見送られて学校までとぼとぼと歩いて向かっている光夜

家からの近さと雛の安全さ故に学校を決めたのでもちろん徒歩通学だ

そんな通学路にて周りを見てみると光夜と同じ制服をきた人が多くいる

そしてまだまだ真新しい制服に身を包んでいるにも関わらずにまるで失恋でもしたかのようにどんよりとした雰囲気を纏っている光夜は普通に目立っていた

なんせ大抵の新入生ならば今日からはじまる学校生活へと期待と僅かな不安を胸に膨らませて嬉しさと少しの不安が混ざった表情をして登校しているにも関わらず、明らかに新入生と分かる光夜だが表情ははっきりいって卒業出来るか分からないけどなんとか進級できた三年生みたい

とてもじゃないが新入生、ひいては活気のある高校生には見えない


そんな死んだ魚のような目をしてやる気の無さを全身でアピールしている光夜は周りの学生からとても痛々しいものを見るかのような視線を向けられる

普通の高校ならば別に問題ないのだがここ日蓮魔法戦闘高等学校では光夜のようなやる気のないオーラをあからさまにしている生徒は限りなく少ない

いや、もはやいないと言ってもいい

理由としては簡単に言うとこの学校に通っているのはほぼ熱血体育系ばかりであり、そうでなくてもそれぞれが目標を持ちやる気を漲らせているからでとても活気に溢れている

もちろんなんやかの事情によってやる気をなくしたりする人もいるがそんな生徒はすぐさまこの学校から去る、いや去らざるをえない

さらに言えばやる気のない生徒がこの学校に入学出来るはずもないのだ……もちろん光夜は例外である

なのでこの学校に通う生徒で学校生活に対して希望も期待もやる気もなんも持ってない生徒なんてかなり珍しいのだ

と以上のようにこの学校の良い特異性の1つを述べてみたが光夜からしてみればほんとうにどうでもいいことであり、どうでもいいが故に向けられている視線すらも気にならない

なんせ光夜が今考えているのは夕食の献立や如何にして手を抜いて学校生活を送るかであり、光夜は家族や大切に思える人の事か自分が面白いと思ったことのためにしかやる気なんて出さない

そこら辺はもうどうしようもないのだ


ちなみにもう察せるかと思うがこれから見に行くクラス発表での光夜の所属するクラスはほぼFクラス確定である

なんせどのクラスに属するかに光夜には関係ないし興味もまったくない

なのでクラス分けテストの初日では最下位を争えるほどの結果を叩きだし、2日目の教師との模擬戦ではとりあえず最低限の戦いをしたあとわざとリタイアし、最終日の精霊契約に至っては儀式を失敗させている

逆にこれでFクラスじゃないならたまげたもんだ

まぁ精霊契約に失敗している時点で確定であろうが

ちなみにこの学校では2年次に上がる際には精霊契約が成されていることが最低条件となるために光夜もそれまでには一応何とかするつもりだ

まぁあくまでこの学校に飽きなければ…だけれども


そうしてダラダラと歩いて学校に向かっているうちにクラス発表がされている掲示板の前に辿り着いた光夜

見るまでもないと思いつつも一応確認してみれば…当然のごとくFクラス


(まぁあたりまえか。あれだけ手を抜いてやればそりゃこーなるよね。逆にFクラス以外なら笑う)

周りの新入生のなかにはEやFクラスであったことに涙しているものや納得が行かないと憤怒していたりするものもいたりするのに光夜にとってはこの反応程度

そして知り合いが一切いないはずであるにも関わらず他の生徒の名前を眺めていると気になる名前が1つ目に入る


(どっかで聞いたことあるような見たことあるような名前だな…まったく思い出せないから多分気のせいか)

一瞬何か引っかかりはしたものの全く思い出すことが出来ないために自分の名前がFクラスのところに確認を終えたあと、さっさと自分の席があると思われる教室へと向かっていくのであった






そして光夜が辿り着いたのは見るからに活気のない生徒達が多く見られるFクラス

このEやFといった下位クラスに振り分けられた生徒達が現実に打ちひしがれている様子は新入生であるなし関係なくどの学年でも毎年見られる光景ではあり、だいたい授業開始から数日は暗い雰囲気に包まれているらしい

中には自分が下位クラスに配属されたことに対して不満を露わにして学校に直訴するような生徒も少なからずいたが、やはりどの生徒も納得せざるえない正論によって一蹴されている

やはり無事卒業することができる可能性の低い下位クラスになってしまったとなると誰しも悲しむだろう

それでもたったの数日で上のクラスにあがっていってやろうというふうに負けん気を持って下克上へのやる気を満ち溢れさせることが出来るのはやはりこの学校に入ってくることが出来る生徒ならではだと思う

まぁそんなこと光夜には一切関係ないが


(俺の席は…ここか。窓際の一番後ろの席とか最高だな、これで前や右前の席のやつが背が高かったりガタイが良かったりするとなおよし)

そんな授業をサボるつもり気まんまんでそんなことを考えながら席につくや否やそのまま頬杖をついて外を眺め始める光夜

周りの生徒達が暗い表情をしつつもある程度コミュニケーションを取り合っているのに対し光夜はまるで誰とも関わらないといわんばかりの態度

それも無理もない

なんせ光夜はあの事件以来はじめて学校に通うのだから

あえてツッコミを入れるなら義務教育はどうした?と言いたくなるが世界融合によるゴタゴタのせいでそんなこと気にしている余裕なんてこの国にはなかったわけであり、光夜同様に事件以降まともに学校に行けてない少年少女は少なからずいたりする

だがあくまでその子供達は精神的や肉体的にやむをえず学校に行けなかったに対し、光夜は雛の世話を自分自身でやり遂げると決めた上で自己的に学校に行かない選択肢をしたので少しばかり事情は違う

といっても実質光夜には学校に通うなんて選択肢が当時無かったのも事実ではあるが


そして予鈴のチャイムがなるのを光夜がただボーッと外を眺めながら待っていると光夜の前の席の生徒がきたようなのである程度の期待を込めながら一瞥してみるとバッチリその生徒と目が合ってしまった光夜

そんな光夜と目が合った生徒は光夜の期待した背が高くガタイの良い生徒とはとてもいえないような鋭い雰囲気を漂わせながらも見た目スタイルの良い美人な女子生徒であった


(ん?何でこんな人がこのクラスにいるんだ?)

その生徒を見た瞬間にある程度のこの女子生徒が持っているということに気づく光夜

光夜の見立てでは少なくても単純な近接戦闘においては真面目にやらないと勝てないくらいの強さはある

なんせめちゃくちゃ上から目線の判断だが光夜は雛を守るために命をかけて様々な武術の鍛錬をつんだ結果、ちょっとドン引きするような強さを誇る

そんな光夜をして強者と思わせる女子生徒

普通に考えたならば最底辺であるこのFクラスにいるわけが無い

だが女子生徒を別の視点から見てみた光夜はあることに気づく


(あぁなるほどね、精霊の気配をまるで感じない。つまりこの人は単純に精霊契約で精霊と契約ができなかったがためにこんなクラスにいるのか。でも向上心も実力もありそうだから精霊契約さえ出来たら上のクラスに行くだろうな)

そう独りごちる光夜

そして1人納得した光夜は目が合って少しの間見つめあっていたことなんてなかったかのように視線を窓の外へとうつす

そうすると女子生徒の方は何故か光夜を小馬鹿にしたような視線を向けると自分の席に着席し、振り返ると光夜に声をかけてきた


「ねぇ、あなたも周りの人と同じようにこのクラスになったことに対して悲しんでいるのかしら?」

そう問われ一瞬無視するかどうか考えた光夜だが久々に同年代の人と話すんだなぁと思い会話をすることに決める


「いや、違うよ」


「それじゃあどうしてそんな死んだ魚のような目をして陰鬱な雰囲気をただよわせているのよ」

そんな女子生徒の問いにどう答えるか悩むが素直に話すと面倒くさい展開になる気がしたので適当に返事をする光夜


「別に、ちょっと体調が優れないだけ」

そう気だるげに言う光夜をみて女子生徒は一瞬何かを言おうとしていたようだが光夜の様子をみて本当に体調が悪いのかもしれないと考えたらしく


「そう、お大事に」

と言うと前を向き会話を終わらせた

そんな女子生徒に対して


(久々の同級生との会話が僅か数十秒で終わった件について……)

そう内心少し残念に思いつつも光夜も窓の外を眺める体勢へと戻る

そのあと2人は朝のホームルームが開始されるまでの間、他の誰とも会話することも無く過ごす


(やばい、もうお家に帰りたい。まぁでもあと2時間ぐらいの耐久だと思えばなんとか……)

と光夜はこんなことを呑気に考えていたが、この後共に様々な問題を起こして物語を紡いでいくであろう数人のうちの1人との初対面はこんな呆気ないほど軽いものだったとは今の光夜には分かるよしもなかった






……To be continued

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