プロローグ『終わり』
これで前話は終わりです。
ここから物語は始まります。
二人の少女がお互いに助け合い、自分の生まれた意味や、生きることへの可能性。
夢や希望、たくさん溢れる感情をお贈りしたく、頑張って書いていきます。
約束とは、口でするのは簡単である。
しかし、魔法を使って約束をすると、それは途端に破れぬ誓いになる。
私がしたこの約束は、きっと意味があるものなのだと、今はそう思いたい。
一つだけ心残りがあるとするなら、君を一人にしてしまって本当にすまないと思う。
まだ教えたいことたくさんあったのに。
「本当にすまない」
目が開くと、街が見えた。
これが外の世界なのかとも思ったが、あまり新鮮さを感じなかった。
空を飛んでいるような感じがして、とても気持ちいい。
「ねぇ、どう? これが、外の世界」
「どうして、私をここに?」
「出たかった。 出たくなかった?」
「あなたは、誰?」
「あなた、あなた? あなたは、だれ?」
「私は、ディアナ。 あなたは?」
「わ、たしは、私は、せか、い」
世界?
「ディアナ」
そこに、違う声が響き渡る。
「君は本当に大切にされていたんだね。 君のおかげで私は……」
なにを言っているのかわからない。
大切にされている……?
誰に?
「君にはこの街は狭すぎる。 だから、君を二人にさせてもらうよ。 片方は世界の理不尽と不平等、そして世界の隠し子としての君だ。 そしてもう片方は、あいつに育てられた一年間の君と、君が学んだ知識としての君」
二人の、私?
「君は今日から魔法使いの仲間入りだよ、ディアナ・ハドリウェス」
ディアナ・ハドリウェス。
私の、名前。
魔法使いとしての名前。
「そろそろ夢から覚めようか、ディアナ」
ゆっくりと空から落ちるような感覚と、急激な眠気が私を襲う。
「そうそう、最後に一つだけ教えてあげるよ。 君を別つために努力をしていた賢者がいたことを。 名前は___」
次に目が覚めたとき、私はなにも覚えていなかった。
街を襲った怪物や異常、賢者や世界のことも。
私をここへ連れてきてくれた人のことも。
たまたま読んでくださったかたは有難うございます_(._.)_