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-1話『外の世界』

2話なのですが、まだプロローグの続き、マイナス1話です。


『___進め。 風が吹くように、水が流れるように、火が燃えるように、進め___』


祝詞は魔法を使う上でとても重要になってくる。

言葉の重み、使いたい魔法と祝詞との相性で、その力は左右される。


『___汝は止まらぬ風に乗り、邪魔するものなどない空へ飛べ___!』


すると、私の手のひらにあった鳥のおもちゃは大空へ飛び立っていく。


「上手く使えたじゃないか、ディアナ」

「先生、見ていたんですか」

「なに、弟子がどれくらい魔法を使えるようになったかくらい、私に見る権利はあるだろう」


あの日、先生に拾われてから一年が過ぎた。

私はたくさんのことを知った。

先生が知っていることを、なんでも求めた。


「すぐに朝食の準備をしますね」

「あぁ、頼むよ」


知恵をつけることがとても楽しくて、私は先生にたくさんを求めすぎていたのかもしれない。


「先生」

「ん? どうした?」

「なぜ、私はここから出てはいけないのですか?」


この一年で、知ったことはたくさんあったが、その一方で絶対に教えてくれないこともあった。


「前にも話しただろ? 君がここで学ぶためのルールその1」

「自分のことは自分でする。 ただし自分のためになにをするべきかわからないときは聞いてよし」

「その2」

「先生のことは詮索しない」

「その3」

「……外の世界についてはきいてはいけないし、出てはいけない」

「これが私が君に課したルールだ」

「でも、先生は教えてくれません。 外の世界がどんなところなのか、どんな魔法使いがいるのか」

「君がそれを知る必要はないんだ」

「……わかりました。 わがままいってしまってすみません」


きっと私のために先生はそう言っているのだろう。

でも、私は気になってしまう。

外の世界がどんな世界なのか。


「できました」

「今日も美味しそうだね。 いただきます」

「いただきます」


だから、この日の私は少しだけ、いつもと違っていたのかも知れない。


「そういえば、今日はこのあと予定ある?」

「予定、ですか? 特にありませんが、どうしてです?」

「今日一日家を空けるんだが、留守番をしていてほしいんだ」

「いいですけど、いったいどこに?」

「君が一年前までいたところにね」


私が、いたところ?

たまたま読んでくださった方々有難うございます_(._.)_

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