好き過ぎて、ムカつく。
彼は男友達が大好き。
休み時間はいつも、彼らと一緒にいる。
私とおしゃべりをする時間なんて、存在しない。
彼は男友達が大好き。
好き、好き、好き、好き過ぎて、ムカつく。
彼以外の男なんて、消滅すればいいのに。
彼は寝るのが大好き。
授業中はいつも寝ている。
私が勉強を教えてあげる時間なんて、存在しない。
彼は寝るのが大好き。
好き、好き、好き、好き過ぎて、ムカつく。
学校よ! ブラック企業に変わってしまえ!
彼はサッカーが大好き。
放課後はいつも、部活でボールを蹴っている。
私とデートする時間なんて、存在しない。
彼はサッカーが大好き。
好き、好き、好き、好き過ぎて、ムカつく。
サッカーなんて、宇宙の果てに、蹴り飛ばされればいいのに。
彼は猫が大好き。
家ではいつも、猫とじゃれているらしい。
私の部屋に来て、イチャイチャする時間なんて、存在しない。
彼は猫が大好き。
好き、好き、好き、好き過ぎて、ムカつく。
猫よ! 醜いカエルに変わってしまえ!
私は彼が大好き。
いつも、頭の中は、彼でいっぱいだ。
なのに、彼の頭の中に、私は存在しない。
私は彼が大好き。
好き、好き、好き過ぎて……。
ああっ! もうっ!
私は美辞麗句を並べたラブレターを破り捨てた。
新しく書いたのには、こう書いてある。
『好き過ぎて、ムカつく。
だから、私と付き合ってください。』