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目覚めたらそこは異世界だった  作者: 柊 空音
第4章 英雄の記憶
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第4章18 「新たな可能性」

俺は次の日から、再び現場を見て、火の痕跡を見た。


「この欠片をどう使って、火にしたのか」


俺は痕跡を見ながら、いくつか推測していった。

まず、茜と話したように、マジックアイテムの存在だ。

この世界にはそもそもマジックアイテムは存在しない。

でも、もし俺みたいな人間がもう1人居たと仮定すればそれも可能性として外すわけにはいかない。


次に、最小魔法の存在だ。

通常、魔法は時間が掛かり、発動するまでに詠唱を掛けなければいけない。

だが、この世界にライターの様な小さな火の魔法はない。

火が必要ならば、原紙的な方法で、火を点けるから、小さな火の魔法がない。

でも、これも仮定だが、それが存在していれば、今回の様な火事は可能だ。

欠片があったのは、もしかするとカモフラージュかもしれない。


「どれも可能性があるから、難しいな」


俺は、2つの世界を知っている。

だからこそ、色々な可能性を考えれるのだが、それはそれでまた悩ましい部分でもある。


「知り過ぎた事で、逆効果って事もあるんだな…」


このままだと、解決に向かわないし、だからと言って次の事件を待つのは危険だ。

今回は、この程度で済んだのかもしれないが、これがもし、警告だったとすれば、

次はもっと、街を危険な状態になってしまう恐れがある。

それだけは、絶対にさせてはならない。

俺は、頭を悩ませながらも、そう考えた。


強も収穫がないと思った。

帰り道、城下町の商店街へ足を運んだ。

最近、城の生活が多いので、商店街に全く訪れていなかった。

なので、様子を見る傍ら、懐かしい思いを持って訪れたのだ。


「これは何だ?」


俺は商店街のある店で、1つの商品を取った。


「ああ、これは調味料を入れる小瓶だよ」


店主が俺の一言を聞いていたらしく、商品について答えてくれた。


「調味料を入れる小瓶?こんなの前にあったのか?」


前、調味料を入れる物といえば、鉄で出来た容器だった。

硝子で出来た物は初めて見た。


「これって」


俺はある事に気付く。

そう思って、ポケットに入れていたあの欠片を取り出した。


「やっぱりそうだったのか」


そう、店に売られていた調味料を入れる小瓶と、欠片の色、素材が一致したのだ。


「間違いない、あれは誰かがこの小瓶を作って、マジックアイテムを生成したんだ」


こんなにもあっさり解決するなんて、俺はこの数日の苦労が台無しになったような気分にさえなったが、それは今はどうでも良い。


「これで後は、このアイテムをどうやって作ったかだ」


俺以外にも、俺の世界からやって来た人間が居るとしたら、


そう考えると居ても立っても居られなかった。


to be continued…

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