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目覚めたらそこは異世界だった  作者: 柊 空音
第4章 英雄の記憶
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第4章10 「平和な景色」

俺は今、とても幸せだ。

幸せの定義はよく解らないけど、それでも俺はこうして日常を過ごせている。

現実に帰る事も考えたが、バーンクロスでの生活も再びしたかったのだ。

でも、前とは違うところが1つあった。

そう、お店に客がいっぱいだという事。

ん?幸せ?


「うおおおおおおおおおお、押さないで!!順番を守って並んで下さい!!」


俺は、客にもみくちゃにされていた。


「俺が先だ!!」

「いいや、俺が先に聖剣を作ってもらうんだ!!」


ヴァルフレアが漏らした情報がバーンクロス全体に広まり、それを聞きつけて来たらしい。

俺は注文を受けたが、流石に俺が持っていたクラスのエクスカリバーを作って悪用されたら困るからと思い、魔力がほとんど入っていない見せかけエクスカリバーを作る事にした。

これだったら、悪用されたとしても普通の剣と変わりないから安心だ。

魔力を少し入れるのは、もし魔力を持った人が手に取って自分の魔力を入れて使用するという事を防ぐ為だった。

見せかけと言っても構造は一緒だから、その心配を除く為に行った。

俺自身の魔力を入れておけば、上書き出来ない様に出来るからだ。

注文を一通り終えて、製作し出した。

これ以上、注文されたら俺的に死んでしまいそうだったから、店を閉めた。


「この量でも死にそう」


俺は、ひたすら剣の型を作った。これで量産出来ると思ってた。

正確に作っていたら絶対1年は掛かる量だった。


チャラン


店っぽくする為に、新しく付けたドアの鈴が鳴った。


「あっ侑やってるんだね」


この光景、何故か懐かしく感じた。

そうか、店を開いたばかりの時にあったなと思った。


「ああ、フィリアか。もう大丈夫なのか?身体は」

「んーちょっと筋力が落ちて動きづらいけど、大丈夫」


フィリアは目覚めてから暫く寝たっきりだった。

筋力が完全に落ちており、ベットからストレッチ等を行って筋力を作っていた。


「それだったら良かったよ。まぁ座って」

「ありがとう。何か手伝う?」

「大丈夫だよ。何かあったら言うね」

「うん」


俺は作業を進めていた。


「ねぇ、侑?」

「ん?」

「やっと平和になったね」

「だね。街も賑やかになった」

「全部、侑のおかげだね」

「いやいや、俺がやった事は結果として街を救っただけだよ」

「でも、救った結果は変わらないよ」

「まぁ、照れくさいけど感謝される事は最近増えたね」

「女の子からもモテてるしね」


俺はそれを言われてこけた。


「いやいや、何を言ってるの」

「王宮のメイド達が皆言ってるよ。素敵だって」

「へぇ…そうなんだ」

「鼻の下伸びてるよ?」

「の、伸びてないよ」

「ふふ、面白い」

「からかわないでよ。フィリア」

「ねぇ、侑」


フィリアはちょっと顔を赤くして、


「私の旦那さんになって欲しいの」


to be continued…

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