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目覚めたらそこは異世界だった  作者: 柊 空音
第3章 救いの記憶
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第3章19 「天と地」

「本当意地悪。でも…」

「でも?」


フィリアは、俺の方を見て、


「でも、好き」


俺は、あまり言われ慣れてないせいか、顔が赤くなってしまい、少し顔を逸らしてしまった。


「急に言うなよ。びっくりする」

「ごめんね?」


フィリアは舌を出しながら笑って言った。


「私はずっと魔女の呪いのせいで、自分と深く関わる人達皆を不幸にするってずっと思っていた。だから両親、ココア、メル以外の人達は必要以上に私を見ないんだとずっと思っていた」

「…」


確かに、城の人達はある程度の距離感は有ったと思う。


「でも、侑はそれを感じる事が無い所か、私を助けようとずっと命を懸けてくれた」

「それは俺だけに限らないよ。たまたまあの場所で出会って、たまたま俺が放っておけない性格で、たまたま上手くいく事もあっただけだよ。結果的にはまだ成功してないわけだし」


そう、俺はまだ終わっていないわけだから、フィリアに言われてもピンと来ないのは無理もないのである。

と自分の心の中で言い聞かせた。そうしないと、また俺は浮かれて失敗する。そう思ったのだ。


「じゃあ、成功したらもう1回言ってあげるね」

「割と恥ずかしいんだぞ」

「えへへ」


この笑顔はずっと守っていきたいとずっと前から思っている。

それをもうすぐ自分の手で叶えると。

次、失敗したらどうしようではない。これは失敗するしないじゃなく、成功しないといけないんだと。

もう、前までの俺じゃない。あの世界に行った頃の俺ではない。今なら自信を持って言える気がするんだと。


「フィリア」

「ん?」

「もう俺は、後ろを向かないよ」

「うん!」

「だから」

「だから?」

「フィリアも後ろを向かないで欲しい。俺と前を向いて欲しい。もうフィリアも変われたと思うよ」

「そうだね。この世界に来て、侑の世界に触れて、私は色々学べたし、変われたと自分でも思うよ」

「その気持ち、俺が守るよ」

「ありがとう」


明日には戻る。

だから、こういう話も今日までだなと思った。

終わったら、もっと色んな楽しい話をしよう。2人で最後にそう誓った。

今日も一応楽しい思い出を作りに来たけど、やっぱり俺と同じくフィリアを含め皆も心の中では戻った時の事を思って過ごしているんだと思った。


時間はあっという間で、閉園の時間になった。


「おーい2人共、帰るよ~」


どこに行ってたか分からなかった茜達が戻りながら声を掛ける姿が見えた。


「さて、戻るか」

「だね」


それに気付いた俺とフィリアが手を振っている時、


「君の覚悟、見定めさせてもらうぞ」


俺の視界が急に暗くなり、周りが見えない状況になった。


to be continued…

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