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目覚めたらそこは異世界だった  作者: 柊 空音
第3章 救いの記憶
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第3章17 「剣の心得」

俺は、完成した剣を皆に見せた。


「思ったより威力が高くてびっくりした」


俺は、もう少しでバリアが突き抜けるところだった事、魔力が込め易い事も説明し、皆が喜ぶ姿を見れた。


「これでやっと魔女を倒せる時が来たのですね!」


メルが目を輝けながら言った。


「でもこれだけで魔女が倒せる保障は無いわ。確証が無いから」


至って冷静な意見を言ったのは、茜だった。


「確かに俺もこれで倒せるとは思ってない。でもこれでやっと俺も戦力に慣れるんだなと思ったら嬉しくてな」

「まぁ、侑君の気持ちも解るけどね。でももっと戦いに備えないと」

「というと?」


茜が少し悩んで、


「戦い方を知らなければ、戦力にはならないって話だよ」


自分でも解ってはいたが、それを自分以外の人に言われるとちょっと心が痛んだ。


「それは解ってるよ」

「まだ理解出来てないよ」

「だと思うよ。強がっただけ」

「じゃあ、どうしたら良いと思う?」

「剣での戦闘を覚える」

「それだけじゃ駄目なの」


俺には、これ以外何があるのだろうかと思った。

戦闘を覚える。つまり戦う術を自分に叩き込むのだが、それ以外何が必要なのか?と思った。


「侑君に足りないもの。それは勇気」

「勇気?」

「やっぱり怖がってるんだと思うんだよ。心のどこかで。過去の事もあるし、それは仕方ないと思うけど、それでもやっぱもうちょっと自分に勇気を持たないと前に進まないよ」

「確かに多少はまだ恐怖はあるかもしれない。努力するよ」

「よろしい!!では、剣を学びましょうか」

「誰に?」

「そこに戦闘のプロが居るじゃない?」


茜がそう言って、指を指したのはメルだった。


「え?私ですか?」

「そら、剣士だもん。しかも騎士団」

「まぁ、剣の修業はもう何年もしていますが、人に教える事は…」

「でも、立ち回りくらいはどう?」

「それでしたら、何とか。難しいですけど」

「じゃあ、侑君の為にお願い?」

「解りましたよ…」


メルは、不安な顔で俺に、


「上手く教えれるか解りませんけど」

「お、お願いします。師匠」

「や、止めてくださいよお」

「ごめんごめん」


俺は、剣を使った戦闘の立ち回りを教えてもらった。

周りに複数敵が居た時の事を想定しての立ち回りだった。

俺の経験した戦闘では、割と複数人が多かったからである。

そして、1日、また1日と訓練に身を投じた。


「私が知っているのは以上になります」

「ありがとうメル。助かったよ」

「いえいえ、私の立ち回りなんてまだまだです」

「それでも、何となくではないし、確実に成長した感覚を覚えたよ」

「そう言ってもらえると嬉しいです」

「後は、実戦で成果出さないとね」

「頑張ってくださいね」


確実に一歩ずつ進む大切さも俺はこの数ヶ月で知った気がする。

今まで焦り過ぎたのだ。

今度こそ、勝てると自分の中で思える事が出来た。


to be continued…

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