第3章14 「再び地に足をつけた2人」
私達は建物から出た。
そして、無数の光を見た。
「ここって…」
「ここは…」
「天国…?」
「天国ってこんなのでしたっけ?」
「書物に書いていたのとは大分違うけど、そうじゃないのかな?」
「私達死んだんですね」
「仕方ないよ。あれは私達の負けだよ」
あの審判は侑のせいじゃない。私達は強く思っている。
取り敢えず、ここをどんな場所か知る必要があった。
「メル、歩ける?」
「はい!歩けます」
こうして、メルと2人でこの世界の探索をした。
「おー」
私達が見た天国は想像以上だった。
鉄の箱が動いていたり、壁から人が映っていたり、人がこんなにも多かったり。
ここは正真正銘天国だと思った。
それ以前に何故か私達に対しての視線が熱かった。
「ココアさん、何かじろじろ見られていますよ」
「新顔で皆も驚いているのだろう」
「さっきからパシャパシャと何か鳴っていますよ」
「あれは魔法の道具なのかもしれない。逃げるぞ」
「あっ待って下さいよ」
私達は、人混みから少し逃げてやり過ごす事に成功した。
「ここは、どこでしょう?」
「解らない、無我夢中に走っていたから」
「私達はここでやっていけるのでしょうか…」
「そんなに落ち込むなよ…」
「落ち込んではいませんけど」
空はずっと真っ暗だった。恐らく夜なんだろう。
でも、夜でもこんなに明るいなんて、凄い世界だなと思った。
「侑達にもこの世界を見せたかったね」
「ですね。綺麗です」
「侑は異世界から来たって言ってたよね?」
「確かそうでしたね。こんな世界なんですかね?」
「だったら、侑に案内して欲しかったね。詳しそうだし」
今はこの世界を受け入れる準備をしよう。
自分達はもう死んだ。それが現実だ。
この世界で次に転生する準備をしよう。
「ココアさん…」
「何だ?」
「私…バーンクロスに戻りたいです」
「ああ、私もだ」
「この世界も美しくて素敵です。でも…」
「解ってるよ。侑もそうだしフィリアを置いて来てしまったからな」
「はい、それが心残りです」
私達は、自分たちの無力を呪った。
あの審判を切り抜ける力が有れば、死なずに済んだのだ。
私達は、まだまだ無力だった。少し過信していた。自分達の力を。
上手くいけると思ったのだ。魔女を倒せると思ったのだ。
その結果がこれだ。とっても情けない。
「次、転生したら誰かを守れる力を持った人になれたたら良いな」
「はい、そう願っています」
「さて、それまでこの世界を満喫しよう。さっき居た場所も少し落ち着いたらもう1回行こう」
「ですね」
こうして、私達は再び歩き出した。
「嘘だろ?」
「どうしたの?侑」
「今、SNS…えーとこの世界の掲示板的な所に…」
俺は、フィリアと茜にある写真を見せた。
「ココア…?メル…?」
俺達は衝撃を受けた。
to be continued…




