第3章12 「魔女支配下時代のバーンクロス」
昔、世界を恐怖で支配していた魔女達、でも本格的に世界を支配しようとしたのはフィリアという少女を完全に封印した後であった。
魔女は国民を階級で分け、影響力がある者を富裕層に。影響力は普通だが金がある者を一般市民に。そして今まで一般市民だった者達は奴隷に。
世界は、もはや平和という状態を保てなくなった。
私は皇女であった為、当然富裕層に居たが、富裕層と言っても、毎日魔女に管理された生活。
外出する事も許されない状況だった。
これが富裕と呼べるのか小さい頃からずっと疑問に思っていた。これならば一般市民になった方がましだと。
でも、一般市民にも魔女に管理された部分があり、どこに逃げても結局は同じだと知ったのが16歳の時だった。
私は国から逃げようと決心して、逃げたのだ。
魔女達の監視にも隙があり、計画して逃げたのだ。
私は現実から逃げたのだ。
「はぁ…」
逃げた事を後悔はしてなかった。でも国の姫として、逃げた事を本当に申し訳ないと思った。
でも、そもそも皇女である事が私にとっては重かったのかも知れない。
「これからどうすれば」
逃げたのは良いが、その後の計画は全く無く、近辺の村も知らなかった。
と言っても近辺の村も魔女達の支配下に置かれてるので、行ったらまずいと思った。
「ここで良いか」
人が居なさそうな洞窟へ入って行った。ここなら誰も入らないだろうと思っていた。
歩いて疲れたのか、その日はそのまま寝てしまった。
「んっ…」
翌日、起きた瞬間、私は飛び起きてしまった。
目の前に男の人が居たからだ。
「誰…?」
私が声を掛けると、彼は驚いた顔をしていた。
「ここは、何処?」
私は、彼が何を言っているのか解らず、
「貴方がここに来たのでは?」
と返した。
でも、
「いや、僕はさっきまで家で寝てたはずなんだ」
「ここはバーンクロスよ」
「バーンクロス?」
「ええ」
「バーンクロスってなんだい?」
「貴方、記憶が無くなったのかしら?国の名前よ」
「いや、世界地図にそんな国があるはずが…」
彼は数秒黙って、私を見てこう言った。
「もしかしてここは…」
「ここは?」
「異世界だ…」
「え?」
これが、彼との出会いだった。
「これが、大体の世界の状況とお父さんとの出会いよ」
俺は唖然とした。
「フィリアと出会った時で類似している…」
「場所は違うけど似てるね」
本当、運命とは何だろうかと思うくらい、俺と両親の繋がりが凄い事だと時間した。
そして、それと同時に支配下時の世界の話を聞いて俺はある事を思った。
to be continued…




