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目覚めたらそこは異世界だった  作者: 柊 空音
第3章 救いの記憶
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第3章9 「動き出した時間」

「ねぇ、侑君」

「何でしょう?」

「もう、あっちには戻らないよね?」

「戻ると言ったら?」


俺は茜にそう答えを返した。


「止めはしない。でも勧めもしない」

「そう言うと思ったよ」

「でも本当に戻るの?」


茜にそう聞かれ、一瞬フィリアの方を見てからこう言った。


「全てを終わらせに行くんだ。このまま生活するのも良い。だけど、過ごしている間にきっと後悔が生まれる」

「…」

「茜さんが心配してくれるのもありがたいし、感謝もしてる。だからこそ終わらせに行くんだ」

「それはつまり…」


俺は、大きく息を吸って、


「魔女を倒す」


ココアやメルを殺された恨みからではないとは言い切れない。

でも、これは俺自身が全ての始まりだからこそ終わらせなきゃいけないと感じて言った言葉だ。

もう、迷いは無い。恐怖も不思議と自然に消えてった。


「わ、私もサポートします」


俺の決断を見て、フィリアはそう言った。


「フィリア…」

「私も、もう逃げたくはありません。もう後悔したくないから」

「一緒に来るのか?」

「行きます。もし戻って例え意識下にまた入ったとしても」

「フィリアがそう決めたなら俺に反対する資格はないよ。まぁ俺も無茶な事言ってる訳だし」

「侑…」


こうして大方話は固まっていった。


「あ~もう!!分かったわよ!!私も行くわ」


茜も多分、悩んでいる事が馬鹿馬鹿しくなったのか、決断した。


「でも、1つ条件があるわ」


茜が戻る代わりにある条件を出して来た。


「侑君、君にはもう少し日常を過ごして欲しい」

「え?」

「治ってから急に行くなんてそこまでの無茶は許せない」

「でも…」

「大丈夫。戻る時は前と同じで時間を戻すから」

「…」

「お願い。家族にも会ってあげて?」

「期間は?」

「1週間で良いの」

「分かりましたよ」


こうして俺は久々に家に帰る事にした。

久々に連絡すると、


「帰って来るなら皆を連れて来なさい。話したい事があるの」


と返って来たので、3人で家に向かった。


「話って何だろう?」

「怒られそうで怖いわ。私」

「まぁ、茜さんは一度会ってますもんね」

「あれ、会ってるって言う?」

「微妙?」

「はぁ~でもいつかは行かなきゃいけないと思ってたから丁度良いわ」

「フィリアは大丈夫か?」

「え?いや、私は大丈夫だけど」

「さすがお嬢様は言う事が違うわ」

「え?茜さん、それどういう意味で…?」

「単なるおばさんの皮肉よ」


そう話しているうちに、家に着いた。


「久々だな。家に帰って来るの」


俺は、その後の運命に戸惑いを抱く事になるとはこの時思ってもいなかった。


to be continued…


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