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目覚めたらそこは異世界だった  作者: 柊 空音
第3章 救いの記憶
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第3章6 「変わらなきゃ」

「皆、変わらなきゃ。皆」


悲しそうな顔をする茜を見て、理由を聞きたかった。


「どうしてそんな悲しい顔をするのですか?」


私がそう質問すると、茜は不思議な顔をした。


「私、今そんな顔した?」

「はい、しましたよ?」

「あはは…私でも悲しい顔するんだね…」

「笑ったりしてるじゃないですか」

「そう、それが普通な事なのに、それが出来なかった。きっとフィリアちゃんと仲良くなれたからかな」

「それは、嬉しいです。私も茜さんと仲良くなれて良かったです。でも理由はそれじゃないですよね?」

「あはは…フィリアちゃんには解るのかな?」

「はい!侑でしょ?」

「そう…侑君と出会って、私と全く正反対な人間で、表情も豊かだし、感情を抑えたりも出来ない。でも…」

「でも?」

「それが、羨ましかった。ずっと感情が無いって言われた私と違って、周りに頼られて周りに囲まれて」

「茜さんだって今は出来てますよ?」

「私は侑君に流されて変わっていったみたいな所あるからね…」

「変わるか…」

「フィリアちゃん?」


私は茜の言葉で、自分は変われているのか疑問に思った。

今まで、変わって来たつもりだった。つもりと言ってももちろん自信はあったし、実感もしていた。

ただ、これっぽちの変わり様だったら意味がないのだ。それを今、痛感している。

侑がこうなっている今だから、自分がもっと変わって、侑を戻したいと気持ちで臨まないいけないとこの時強く思ったのだ。

今まで、相手の考えだけを変えようとしていた自分を強く叱ってやりたかった。


「私も、馬鹿者ですね」

「え?え?どうしたの?フィリアちゃん。急に」

「いえ!大丈夫です!」

「本当に?」

「私、フィリアは変わる事を誓います!」

「え?本当に大丈夫?」


茜の心配な顔を気にしつつ、今は自分の決意を声に出して言いたかった。


「侑を戻す前に、自分がもっと変わらなきゃな~っていうあれです」

「あ~そういう事か…心配したよ」

「えへへ、ごめんなさい」


こうして、私達は2人でお互いに鼓舞して、侑を戻せる様に頑張ると誓った。

まずは、会話出来るくらいにはしたいなと思った。

研究室に帰って、精神的な病に効果的な方法等を本で読んで勉強した。

深夜まで勉強したりする時もあって、茜に体調面を心配されながらも勉強した。

焦っていた訳じゃない。けど、自然と時間を忘れて取り組んでしまっていた。


3日くらい経って、初歩的な治療を試してみた。


1に、血糖値を上げない食事が大切だと本に書いていた。侑は食べる事は出来ていたのでもちろん食事はしていた。

なので、血糖値の上昇が考えを悪い方向に導くと知ったフィリアはなるべくヘルシーな物を作る様になっていった。

食事はフィリアが担当していて、茜の分もフィリアが作っていた。


「最近、フィリアちゃん食事の味付け変えた?」

「なるべく血糖値を上げない食事にしました」

「侑君の為なのは解るけど…」

「駄目です!茜さんも歳なんですから」

「歳って言うな~!!」


こうして、侑を戻す戦いが始まった。


to be continued…

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