番外編2 「誘拐という名の孤独」
私は、誰かに誘拐された。
何日監禁されていたかは覚えていなかった。
顔は最初は見てない。寝ている間に誘拐されたから。
最初はどうしてこんな事をするのだろ?お金かな?と思ってた。
小さいながらも自分の家が王族だと理解してた。だからそれしか出てこなかった。
監禁が何日か続いた時、女の人が私の監禁場所に入って来た。
「なぁ、お前は本当に此方と血が繋がっているのか?」
何の事だろ?と言いたかったが、何故か口が開けなかった。
口を布等で塞がれている訳でもなかったが、口を開こうとした時にまるで口を縫われている感覚になった。
後、私は彼女の言葉に疑問を感じた。
何故なら、私に姉妹が居ないはずだからだ。
「私に姉妹が居ないはずなのにと思っただろ?普通はそうだろ。此方も初めはそう思ったのじゃから」
彼女の喋り方には特徴があった。
少し変わってるというか、まるで本当の自分を消しているかの様に。
「私の名前を知りたいか?聞いたら驚くぞ」
私は、消えかかる意識で彼女の言葉を必死に聞いていた。
何故、必死に聞いていたかは解らなかった。
「知りたくないのか…お前も愚かのぉ~。あの女と一緒の顔しよって」
あの女?誰?
「あの女って誰?という顔をしている様じゃな…」
「あの女とはお前の母親じゃよ。そして私の母親でもある」
そんなはずはないと心の中で思っていた。
でも、彼女はその続きを語る様に話し出した。
「お前の母親はお前の父親と結婚する前に知らない男との間に子供が居た。それが此方じゃ」
「此方の名前はフィリス・アルベルト。まぁお前にはどこの家かは解らぬだろうな」
「此方はアルベルト家の養子じゃ。そしてお前の母親に捨てられた者じゃ」
「だから、お前が許せないんじゃ。何も知らないで幸せに」
私は、何もしてないのに。という目で見た。
「お前に罪は無い。何もしてないのは解っている。でも許せないんじゃ」
「だから、お前に呪いを掛ける」
それが、彼女と話した最後の記憶だった。
これを思い出したのは、侑の世界に私が召喚される時に思い出したのだ。
私は多分、この記憶を消されていたのだと思う。
侑…ごめんね。
to be continued…




