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目覚めたらそこは異世界だった  作者: 柊 空音
第2章 絶望の記憶
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第2章15 「次に向かうべき場所」

約2日間、俺は眠っていたらしい。

実際には眠っていたというより、意識下に居る時間が長過ぎただけだ。

目を覚まして数分。意識がはっきりしたところで俺は話を始めた。


「皆、聞いて欲しい」


俺は、3人にギギについて話した。

本当は、魔女に操られていた事。

魔女の居場所は誰にも分からない事。

3人は信じられなそうな顔をしていたが、


「まぁ、でも夢じゃなくて意識下って言うのだったら…」


茜は、そう口にした。

確かにこれは夢か意識下で起きた事かは分からない。

ただ、ギギの操りについては何となく解ったからこその行動だった。

理解するのは難しいとも同時に思った。


「侑君がそこまで真剣に語ってくれて疑う余地は無いよ?ただどこに向かうのか…」

「俺はギギに魔女には側近が居るという噂を聞いたと聞いた。だからまた情報集めだ」


俺に明確な答えはなかったが、ココアがそれに答えてくれた。


「なら「カイル」に行こう」

「カイル?」


その街か村かの名前を言った瞬間メルが、


「カイルは駄目…」

「どうしてだ?メル」

「カイルは魔女の支配下です。とてもじゃないですけど、怖過ぎて」

「でも、行かないと…侑」


俺は、少し考えた。

このまま長く旅をするつもりもなかった。少しでも早くフィリアを救いたくて。

だから正直ココアの案には賛成だ。しかし無謀だというメルの意見も解る。

でも、前に進むと決めた。だから俺は、


「メルの気持ちも分かる。でも俺は前に進むって決めたんだ」

「侑さん…」

「もし、嫌だったら抜けていいよ」

「嫌です。私も行きます」

「ありがとう」


目的地は決まった。

俺はまた性格に合わない事をしてしまったな。

本当は怖い。俺だって怖いさ。


「んじゃ、私も行こうかな?」

「茜さんも?」

「ほら?ここまで来たら行くしかないでしょ?」

「あはは。お願いして良いですか?」

「全然平気よ」


こうして俺達はカイルに向かう事にした。

ココアとメルによると、カイルは首都バーンクロスの2番目の都市らしい。

かなりの面積と人口だったみたいだが、今は魔女が居る場所とも噂されている。

崩落した都市に誰も近寄ろうとしないみたいなので、その実態は行かないと分からないという事。


「んじゃ、早速向かうか」

「大魔女様がここに居ても仕方ないしね」

「自分で言いますか、それを」

「私はもう迷いません。侑がフィリアを助けるまで」

「ありがとう、ココア」

「私も頑張ります」

「ありがとう、メル」


進む道が険しい道でも、それに向って行く。

俺はこの時、改めてフィリアに誓った。

でも、その決断がまさかあんな事になるとはその時は思っていなかった。

俺が人生で一番絶望したあの日に。


to be continued…

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