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目覚めたらそこは異世界だった  作者: 柊 空音
第2章 絶望の記憶
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第2章9 「ギギの仕業」

「あれ?眠れないのですかね?」


物凄い緊張が、その時走った。

目の前に居たのは、紛れもなく村長。

でも、この人が村長じゃない確率は高い。

俺は、一瞬で会話を合わせようとした。


「はい、寝れなくて、外の空気を吸っていました」


すると、村長は、


「その割には、剣を持っているではありませんか。単純に寝れない訳ではないでしょ?」


読まれているのか?

俺は、少し焦り出す。


「世の中物騒ですから、野宿の際はこうして…」


俺が、そう説明している最中に村長はある事を口にした。


「でもここ、村ですよ?」


当然ながらそういう事言う。

でも、これは俺の仕掛けた言葉の罠だ。

俺は、やっと確信した。

奴は、村長じゃないと。


「逆に昨晩、あんな事があったのに、不用心過ぎませんか?村長さん?」

「いや?お前は村長じゃないな?」


すると、村長はにやっとした。


「あら~気付いていたのですか?私が村長じゃないと」


どうやら、観念した様で、本当の姿を現し出した。

姿も変わり、老人の様な姿から若い男性の姿に変わった。


「さっき確信したよ。昨晩の事があるし、普通村長なら防衛体制に入っているはずなのに、何故かしていなかった。だからおかしいと思ったんだよ」

「どうやら、貴方は頭の回転が素晴らしいみたいですね~」

「単なるRPGのし過ぎだよ」

「RPGとは意味が分かりませんが、仕方ないです。貴方を殺しましょう」

「どうせ、最初から殺す為に来たんだろ?」

「あちゃ~それも分かってましたか~。ええ、そうです。上から貴方を殺せと言われました」

「という事は、魔女の仲間か?」

「まぁ、必要な情報以外は話さない主義でして」


そう簡単には話さないとは思っていたので、別に大した期待はしていなかったが、やはり引き出せる情報はここまでと俺は思った。

奴は、やはり魔女の仲間で、俺達が向かっているのも分かっているみたいだ。

取り敢えず、奴を何とかしなくてはと、俺は行動に移す。


「じゃ、最後に2つ程質問する」

「はい?何なりと」

「まず1つ目は、お前以外の村人は本物か?」

「ええ、村長以外は皆本物です」

「という事は、村長を殺してから火を点けたんだな?」

「ええ、そうです」


村長を助けられなかった思いが出て、数秒止まってしまったが、俺は最後の質問をする。


「2つ目は…お前の名前は何だ?」

「私の名前ですか?」

「ああ、そうだ」


奴は、少しだけ不思議な顔をしたが、すぐにまたにやけ始めた。


「私の名前は、ギギです」

「そうか、ギギか」

「ええ、では覚悟は宜しいですか?」


ギギは、にやけながらそう言った。

でも、残念ながら奴に笑える余裕なんて、俺はもう与えるつもりはなかった。


「なぁ?ギギ、小さい頃に前だけ見てると危ないってお母さんに教わらなかったか?」

「はい?」

「後ろを見てみろよ」


俺がそう言うと、ギギは後ろを振り返った。

そこに居たのは、メルだった。


to be continued…

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