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目覚めたらそこは異世界だった  作者: 柊 空音
第1章 始まりの記憶
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第1章21 「最終的な答え」

俺は、両親に話した。

眠っている間、自分がどうしていたのか、そしてこれからやる事を。

もちろん信じてもらえなかった。


「何で侑がそんな事しないといけないの?お母さん分からない」

「母さん、俺は信じて欲しいとは思っていない。でも、また暫く戻れない可能性があるから話してる」


家の空気は最悪だった。それは多分3人とも思っている事を俺は察していた。


「ねぇ侑、折角回復したのに、また眠るとか言わないで頂戴!!」

「ねぇ侑ってば!!」


母は声を荒げてそう言った。相当嫌がっていたのだろうな。


「母さん、ちょっと待ちなさい」


ようやく、父が声を出した。ずっと我慢していたのだろう。普段より母を叱る様に言った。


「母さんは自分の事ばかりじゃないか、侑の気持ちも感じ取ってやってみれば」

「貴方はいつもそうじゃない!!貴方も自由にしてきたじゃない!!私はいつも1人ぼっちになって!!」

「私はやっと3人で普通に過ごせてる日々が来たのに…またこんなの嫌…」


俺は、2人の喧嘩する姿をこの時、初めて見た気がした。本当にごめんの気持ちでいっぱいになった。


「取り敢えず、今すぐじゃないから…」


そう言って、俺は自分の部屋へ立ち去る様にして向かった。この空気に耐えられなくなった。

自分で作ったからこそ、耐えられなくなったのだ。


翌日

俺は、学校へ向かった。いつもと変わらない日々に戻った。

俺は、ずっと母を説得する答えを考えていた。

そんな中、休み時間にいつもと変わらない教室の光景に何となく思った事があった。


「フィリア達は、この何気無いっていう事を知っているのだろうか」


と。

フィリア、ココア、リースさん、ヴァルフレア王

あの世界の人は、本当に幸せなのだろうかと。

もちろんあの世界、バーンクロスに限っては戦争等、争い事は無いから極めて平和だろう。

だけど、俺が言いたいのは平和ではなく、平穏だ。

俺の世界みたいに、少しでも先の事を考えずに生きる時間があるのだろうかと。

俺も、前はゲームの事で頭がいっぱいで将来の事なんて考えてもいなかった。

16歳で将来の事を考えろとか、まず無理だと思った。

でもあの世界は違う。

常に未来に向けて生きている。

それが例え自分のしたい生き方だったとしても、平穏に生きているとは言えないと俺が思った。


教室の窓から見える景色に、


「もう冬なんだな」


季節は冬。11月になっていた。

事故が起きた時には、夏だった。

そう、あの世界も夏だった。

季節はどの世界にだってある。


だったら、平穏な日々もどの世界だって作れる。


だから、もう1度行くんだ、あの世界に。

バーンクロスの平穏を作る為に。


これが、俺が考えた最終的な答えだった。


to be continued…

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