表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めたらそこは異世界だった  作者: 柊 空音
第1章 始まりの記憶
20/85

第1章19 「催眠術師クロネコ」

俺は早速、地図に書かれてた「研究所」と呼ばれる場所に行く事にした。

送り主の名前はニックネームで「クロネコ」と書かれていた。男性らしい。

でも、よく見たら見た事ある地図だなと思っていた。

で、行ってみて途中で気付いたのだが、俺が入院していた病院だった。

中に入ってメールを送り、暫く待ってた。


「青柳君待っていたよ」


俺は目を疑った。男性だと言っていたのに、そこに立っていたのは、女性だった。


「えーと、もしや貴女が「クロネコ」さん?」

「そうだよ?」


もう1つ目を疑った事がある。それは、どう見ても小学生にしか見えないのに、白衣を着て、しかもスタッフの名札まで下げているのだから。


「えーと、それ本物ですか?」

「失敬な!!私は30だぞ!!」

「そんな大きな声ださなくても」


そして、「クロネコ」と呼ばれる女性は静かに息を吐くように話を切り出した。


「で?君は異世界に行きたいのかい?」


そう言われると、俺の表情も自然と真剣になった。


「ええ、行きたいのではなく、行かなきゃ駄目なんです」

「ちょっと来たまえ」


そう言われ、案内された先に1つの部屋があった。

入るとまるで、図書館の様だった。入院していた時にはこんな部屋想像もしなかったのに。


「驚いたか?まぁ座って、コーヒーでも飲んでくれ」


そう言いながら差し出したコーヒーの味は異世界で飲んだコーヒーに似ていた。


「まず、始めに…」

「私の名前は、黒川くろかわ あかねだ」

「ああ、だからクロネコ…」

「まぁ、そうなる」

「青柳君…」

「はい」

「君の異世界はどんな国だった?」

「国ですか?」

「正確には国名を教えてくれ」

「バーンクロス国です」

「…」

「どうかされましたか?」

「いや、やっぱりなと思ってな」

「え?黒川さん知ってるんですか?」

「知ってるも何も、私も行った」

「え?」


それは衝撃的な言葉だった。茜の「行った」という言葉に。

そう、あれは俺の空想の世界ではなかったという事。それが今、はっきりと分かった。


「じゃあ、俺が行ってたのは…」

「君の空想ではなく、本物の異世界だ」

「もっと詳しく言うと、異世界のまた昔という事だ」

「昔?」

「異世界にも我々が住んでいる世界みたいに、過去と未来がある。バーンクロスの時代は過去の世界なのだよ」

「そんな事まで分かっているなんて…」

「私は、5年居たからな」

「5年!?」


俺の4ヶ月でも長いと思ったのに、茜は5年も居たのだ。

そら、あの世界についても詳しくなるはすだ。


「で、帰って来てから情報を集めた。そこで同じ異世界に行ったという人から話を聞いて、その人の場合はバーンクロスが昔の国名だったという事らしい」

「まぁ真意は分からぬがな」

「本当に不思議な世界だったんですね…」

「不思議といえば、青柳君、君はあの世界で異変に気付いたかい?」

「異変ですか?」


少し考える素振りをしながら、茜はこう答えた。


「例えば…銃の作り方…とか?」


俺はこの後、茜の本当の正体を知るのだった。


to be continued…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ