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絶対悪~支配者ダンジョンでの日常~  作者: アクターは正直者?
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プロローグな日常

書いてみました!よろしくお願いします

 俺の名前は涼乃優一(すずのゆういち)。いや今の名前は別にあるのだが今はそれどころではない。とある都合により今は薄暗くカビ臭い洞窟にいる。ここの洞窟の名は『エルルの大洞窟』の上層。


 今まで誰も最深層に到達したことのない謎多きダンジョンの一つ。

 様々な諸説があるがダンジョンとは、神々が存在した時代に己の尊厳を後生に残す為に残したものだ。もしくは、神々が人間達に試練の為に作り、最深層にその秘密が隠されているなど様々な仮説が挙げられているがその真相はいまだに謎に包まれたままである。


 上層までは普通の岩が剥き出しのザ・洞窟という感じの様子だが、中層からは打って変わり木々が生い茂り天井からは太陽の様な光が降り注いで夜まで存在している。仮説の通り人知を越えており、現在の最高の魔術技術を駆使したとしても再現は絶対に不可能といわれており、迷宮の謎を解明しようとする学者や冒険者は数多いるが大抵は夢半ばで力尽きてしまっているのが現状だ。


 俺も"とある目的のため"その秘密を解き明かそうとする冒険者の一人な訳だが......


グルルッ......グルルッ......グルルッ......


「不味いな、三匹か。囲まれたか?」


 今日も一人で意気揚々と経験値稼ぎの為、上層に潜ってきたのだが油断したらこの様だ。


「よーし、お前達仕事だぞ」



 俺は頭の中に図鑑の様なものを思い浮かべ、この前支配下(・・・)にしたばかりのモンスターを召喚する。

 すると、俺の魔力と引き換えに白と黒のスライムが2体、目の前に出現した。こいつらは俺がこの世界に来たときに初めて仲間にした謂わば相棒だ。

 これは俺の能力(スキル)の『支配者』ーーーーどんなものでも使役する事が出来るというもので、このスキルを俺に与えた奴曰くこの世界では俺しか所持していないらしい。


モム(アルス、気を付けろよ。)

ポム(援護頼みます。主人!)


 全く、君達も人のこと言えないだろ。一応、俺の魔力に漬け込んである程度強化したといえ、スライムは最弱のモンスターなんだから。ちなみにアルスというのは俺のこの世界での名前だ、この世界に俺を送り込んだ奴が付けた名前で本名はこの世界では目立つというより珍しいので使わせて貰っている。


「シロ、クロ! やられるじゃないぞ。『強化』!」


 俺は魔力を集中させ、目の前のスライムーーーーシロとクロに魔法を送り込む。俺は魔力がかなり多いらしく、俺自身でも攻撃魔法や剣などは一応それなりに扱えるが、どういう訳か支援魔法などのサポートのほうが強力だ。

 普通の攻撃魔法等は俺を送り込んだ奴が、「流石に自衛も出来ないとね~。どう? 私優しいでしょ?」とケタケタ嗤いながらくれたものだ。今、思い出しただけでもあの笑い声はイライラする。

 


「ウォーウルフか、1体は欲しいな。シロ、クロ、2体はお前達にやるが1体は殺さずにある程度弱らせてくれ。」


モム(合点! アルス、シロやられんじゃねぇぞ)

ポム(来ます!)


 ウォーウルフは俺達をジリジリと接近すると一斉に襲い掛かってきた。犬型だけあってかなりのスピードだが、俺の『強化』を受けたシロとクロの敵ではない。


 シロとクロはウォーウルフが降り降ろしてきた爪をサラリとかわすと直ぐ様にウォーウルフの横腹へと移動し、


モム(まずは1体! 『拘束(バインド)』。シロ! いまだ食ちっまえ!)

ポム(ナイスです。『吸収』)


 クロは魔法により狼を拘束すると直ぐ様にシロが狼の体に飛び付き一瞬にして呑み込んでしまった。相変わらずの消化力だな、流石俺の魔力にどっぷりと漬け込ませただけはある。

 シロとクロは最初はただの透明のぷるぷるとした粘液の普通のモンスターだったが、仲間にして俺の魔力に漬け込んでみたところいつの間にか黒色と白色へと変色していた。そして今は初心者の俺にとって頼れる相棒という訳だ。


「調子が良いじゃないか。俺も負けられないな。『火球(ファイヤーボール)』」


 俺は魔力を指先にして燃え盛る火の球をイメージする。そして魔力は一つの火の塊として指先に現れてウォーウルフ目掛け飛んでいく。


ボウッ!


 燃え盛る火の球はウォーウルフに命中するとその体を嘗める様に火は燃え移る。

 ウォーウルフは熱さに身悶えその場を転げ回るが、しばらくすると動かなくなった。


(うーん、やはり威力がないか。やっぱり経験値を稼がないとダメか)


 この世界には経験値というものが存在し、モンスター等を倒すことで入手することが可能で上昇の仕方は人それぞれだが、いずれも一定数稼ぐことによりレベルアップーーーー自身の魔力や身体能力が上がるという恩恵を受けることが可能となる。現在の人類の最高レベルは10。噂に聞くにその冒険者の力は人の領域を遥かに越えたものらしい。その領域にたどり着いたとしてもダンジョンを最深層まで攻略不可能とか、ダンジョンを作った神様はバランス調整を間違ったのでは無いだろうか?

 ちなみに俺はこの世界に来たばかりなのでレベルは1だ。



モム(アルス、拘束しといたぞ)


「おっ、クロ。サンキュー! 『支配』」


 俺は拘束により動きを封じられたウォーウルフに向けて『支配』を発動させる。すると、ウォーウルフの足元に紫紺に光る魔方陣が現れる。

 この『支配』とは対象ざ身動きが取れない。若しくは弱った状態だと成功率が高くなるという俺の『支配者』の固有魔法だ。対象が体力満タンの状態でも掛けることは出来るのだが成功率は極端に低くなる。一応、レベル差があれば成功率は上がるようだが、レベル1の俺ではこのように拘束したり弱らせたほうが確実だ。


 やがて、魔方陣は縮まり完全に消える。その直後、ウォーウルフの体が仄かに紫紺に光るーーーー成功だ。

 

 

「・・・よし、成功だな。とりあえず、魔力に漬け込ませるか。ウォーウルフ『戻れ(アウト)』」


 さて、後は燃やした狼から素材を回収して今日のところは帰るか。もう少し狩りを続けてもいいが、ダンジョン内では欲張りは死を招くらしく程よい所で戻る事が基本らしい。


(いやー、冒険者講座で学んだことはしっかりやらないとな。また"あの"受付嬢に怒られてしまう)


 この世界に来て初めてダンジョンに潜りクロとシロを仲間にしてはしゃぎ回り夜まで戻らなかった時は大目玉喰らったからな、早めに戻って報告することにしよう。


「クロ、シロ。帰るぞ、一応出口までは警戒のため出たままにしといてくれ」


 2匹は頷く(?)とピョンと俺の肩に飛び乗った。


モム(そういえば、主人。魔石回収しましたよ。死体は頂きましたけど)


「おお! 流石シロ。ありがとう。じゃあ帰ろっか」


 シロは口(?)から、ペッと紫色の石を2つ吐き出す。

 なかなかの大きさだな、それなりの値段にはなりそうだ。



(早くダンジョン攻略して、日本に帰らないとな。たっく、あの邪神め待ってろよ。ダンジョン攻略したら、一発殴ってやる)


 

 俺は決意を改め、ダンジョンの出口へと向かった。



 全ては故郷に帰るため......


アドバイスや指摘等頂けるとありがたいです

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