31 体育祭part6
久々の更新です
「…は…あああああ」
私は空を仰いで盛大な溜め息をついた。そう、盛大に、だ。
今の私は、足ががくがくがくの生まれたての子鹿ちゃん状態なので、近くのベンチに腰を下ろした。ベンチのひんやりとした所が太股にあたって気持ちが良い。
「だっるい…」
にしても、体が尋常じゃない程ダルい。一部が動かず、まるで自分の体じゃないみたいだ。
でも、まだ競技は残っているのだ。ふふっ、皆のためにも頑張らなければ。活をいれるべく、息を大きく吸い込んだ。
「うっしゃああああ!!」
私は叫び、ガッツポーズで天を仰いだのだ。
…そんな時にふと声が聞こえてきた。
「ごめん…篠崎って何だと思う…?」
「運動場のど真ん中で叫ぶ変人馬鹿」
緑菜が凄く呆れ混じりに訊いた。それに対して百合丘はやたら真剣に答える。
私はふむ、確かにと呟いてしまった。怒る気さえない。
というより無論、私に今彼らを叱る気力は持ち合わせていないのだけど。
「…だよな…おかしいよな」
「えー僕は可愛いとおもうけどな?」
「白…頭…大丈夫か?」
緑菜に心配された白愛はだいじょーぶっ! と胸をドンと叩いた。のんきな白愛の様子に私はくすりと笑ってしまった。
※
「っ!!」
リレー競走が始まり、アンカーである私の番が訪れた。私の組は初めから一位をキープしていたので特別ヘマしないかぎりは、一着をとれるであろう。
皆の思いをバトンに託して1000mをただひたすら、がむしゃらに走った。
「おーっと二年頑張る……ってえぇ!? おほん、失礼しました。一年が消えかけたので…あの速さは心霊現象かはたまた馬鹿の底力か…謎です! 篠崎 遥、いったいその変人の何処から力が涌き出てるのでしょうか!」
実況が熱く語っている。
変人、という単語が聞こえたのだが気のせいであろう。いや、きっと気のせいだ。
私は彼を信じたいと思う。
今日で沢山使って汚れたゴールテープをまた切った。一着を取ったのだ。喜びのあまり、歓声の声も聞こえない。ぼとぼと落ちる汗が地面に模様をつけた。
そんな事さえ気にならず、笑顔で妹ちゃんに笑いかけた。
「一着とったよ!」
妹ちゃんも大きく笑ってブイサインをした。
……
結局、ピンク組は優勝したのだ。誰もが分かっていた事実だろうが。だけど、私達は喜びを分かち合い、皆で抱きしめ合った。
「やったねー! 遥姉! あの応援のおかげだよ」
「それは、関係ないことを祈るね」
「えー。良かったのにー」
「そもそもを考えて見なさい。妹ちゃんの応援の方が皆嬉しいよ。何を言ってるの」
「…そうでした。うちの姉は鈍感でしたね」
妹ちゃんはぼそりと呟いた。何を言ったのか聞こえずに首をかしげる。
「え?」
「いえ、何でもないです」
彼女は苦笑した。




