23 朝ご飯
私はフォークを振り回しながら笑顔が溢れる。マナーなんてへったくれもないのですが。
え? 何故だって? 決まっている、皆で朝ごはんだからだ。お陰さまで、万年くりぼっちとはお別れになる。
「おいしい」
私がまだ皿に残っている蟹を見ながらしみじみと呟いた。
「うん、つい食べ過ぎちゃった」
「そうですわね。なかなか美味しいわ」
私の言葉に肯定する妹ちゃん。しかし、彼女の言う食べ過ぎたは、かなり少ない。少食なのだ。
皆食べ終わったようで、お嬢様の玲奈ちゃんは綺麗にナフキンで口元を拭う。仕草までもが上品だ。
「うん。美味しい」
友野さんも嬉しそうに言った。
お腹一杯。何ていっても、寮生はバイキングなのだ。朝からガッツリ食べ放題! でも、毎日は男子が食い漁るので月三回くらいだが。因みにオススメは、茶碗蒸しだ。
朝から妹ちゃんと玲奈ちゃん、友野さんと一緒にご飯を食べる。でも、もうすぐ生徒会に妹ちゃんが関わって一緒に食べれない。私だって一緒に食べたいのだが。目立つくらいなら一人で食べる。
生徒会に対して、ハンカチを口に加えて両手で端を引っ張る、あからさまな嫉妬の表現をしてみる。その行動に皆は、首をかしげた。あははは、日本ジョークですよ。
不思議そうに見ていた妹ちゃんがはっ、と思い出した様に話し始める。
「ところで、すっごい部屋が綺麗になってたんだけど……」
思いあたる事があった、確実に私だ。今朝は、寝れないからこっそり片付けをしておいたが、まずかったか。
確信犯です。すいません。としか言い様がない。
「…………」
私はシュンと黙り込む。怒らえる気がしたから…小心者の私は怖くなった。でも妹ちゃんが発した言葉は思ってもいない言葉だった。
「何か部屋、綺麗だといいね!」
「貴方って子は…大好き!」
楽しそうに言ってくれて、私も涙が溢れてきそうだった。嬉しい。ただそれに尽きる。ごちそうさまをして、足早に食堂を去った。
※
「ふぁるかちゃん!」
「半径1m以内に近寄らないで下さい」
背中に重みを感じ、ふわりと漂ってくるシトラスの香り。ボスと同じ匂いだが、ボスではない。無邪気に声をかけたのは、院ちょ…先生であった。
下駄箱で抱きつくのは、アウトだと思います。先生として、ね。
幸い、早めに学校に着いたので周りに生徒はいませんが。
「先生ですので、生徒には配慮して下さい」
「ちっ。でもまた、ヒロに怒られるのは嫌だしね」
彼の言うヒロとは、ボスの事だ。そうですね、それには激しく同感です。
彼は私に告げると、背を向けて歩き出した。
はぁ…。
「っ…」
スキル確認
百合 鈍感




