12 登校
いよいよ 学校 新キャラぞくぞくと出てきます!お気に入り8件ありがとうございます!
重い瞼を開けると…
一面に広がるのは真っ白な天井。病院の臭いがする。院長とか懐かしいな。
って。そんなこと考えてる場合ではない!!
がばっ、と私は勢い良く布団から飛び出る。
「ここどこ!?」
すっかり気絶してたけど、確かまだ通学路だったはず。仮に闇の組織に運ばれたとして、まさか…ここは敵地か…!
「保健室だよ。遥姉、登校途中に気絶したんだよ! すっごくすっごく心配したんだよ! 無事でよかったぁ…」
はい、茶番です。大体場所くらいは、分かります。そんな組織がここに、ある筈無いですよね。
涙声の妹ちゃんは、また、涙を目に溜めて堪えているのがすぐに分かった。心配してくれてありがとう。私には、妹ちゃんさえいればそれで十分だ。ある程度のお友達は、欲しいけど。
「ありがと…」
そしてよしよしと私は、妹ちゃんのふわふわな髪の毛を撫でた。私は何と言っても緩めのカールがかかった妹ちゃんの柔らかい髪が大好きなのだ。
私はそりゃさらさらで、手櫛が一度も引っ掛からないくらいの上質な髪だ。でも妹ちゃんの様なやっぱり女の子らしいふわふわ髪にも憧れる。まあ、似合わないのがオチだろうけど。
「はっはるねえ! うわーん」
もう、酷い面だよ。顔ぐしゃぐしゃじゃん。ぎゅーっ。私は思いっきり妹ちゃんを抱き締める。顔をしかめた男が口を開いた。
「ちょっとすいませんが話に入れないのですが…」
ちっ。
え? 舌打ち、何か野蛮な事してませんよ? この雰囲気が分からんとはどこぞの奴だ。
はぁ…。
後でゲームセンターのパンチングコーナーにでも行こうかな。今なら華奢な私でも、絶対新記録出せる自信がある。
……。そんな彼を私は見たことがあった。もちろん、今世ではなく前世でだが。
真面目くんの黒井 創。
吸血鬼で、風紀委員長という大役をほぼ(←)一人でこなしている。髪は、真っ黒で艶がありとてもいい髪。
触ってみたいのが本望。んで黒井君は、双子でして一卵性で超弟と似てるが、※(一応兄)中身が全然違う。
でもこの気絶イベントは、主人公ちゃんが経験するはずじゃ…。
何故かを考えて一つの結論に辿り着いた。
ふむ。つまり、運悪く私が経験してしまったという事か。
正直な所、妹ちゃんのイベントが見たかった。好感度なんかいらない。フラグ回収は、妹ちゃんに任せようと思う。
私は、女子のお友達をたくさんつくって、妹ちゃんとも楽しい学園ライフを過ごしたい。恋愛勝ち組の逆ハー何て糞くらえ! 今度からは気を付けよう。そしてフラグは折りまくる!!
するとその心境が分かったのか、彼はそそくさと立ち退こうとする。
「僕はこれで失礼させて頂きます」
…運んでくれたんだよね。この少し丸い体型の私を。特に彼のような華奢な腕では、酷だっただろう。
「待って!」
先程まで倒れていた私の声に彼は、すかさず振り向く。
「何ですか?早く行きたいので手短にお願いします」
「…ありがとう!」
お礼の言葉を口にすると、彼は私の元にやってきて頭を下げる。
頭をおあげ下さい。私程度に頭を下げるなんて、勿体ない。…彼の動きは、優雅で気品がある。いいなぁ。
「お礼には及びません。僕は、黒井 創」
「篠崎 遥」
私はどこぞのお嬢様の様にスカートの端を持ち小さくお辞儀をする。
「心得ました。では、失礼します」
ピシャリと、ドアが閉まる音がする。
それと同時に保健室の先生が入ってくる。
睨まれたのでとりあえず、隣で泣き疲れて寝ている妹ちゃんを起こしますか。
遥
百合 鈍感




