9 本場
緑の山に文字が見える…そうここは………
ハリウッドである。
映画産業が立ち並んだりしててとにかく凄いのだ!! 主に迫力が。
私は朝から寝癖をきっちりと直して、また向日葵のワンピースを着た。鏡の前でにこりと笑えば妹ちゃんには劣るが、美少女の完成だ。いつもよりも顔がいきいきとしている。
そう、ついに目的が果たせるのだ。
車の中でわくわくと目を輝かせていると、目の前でリュンヌが私達に微笑みかける。
「ここ」
ウインクをするリュンヌ。
となりで頭を抱える涼くんが見えた。私は彼に向かって静かに手を合わせた。
ごめんね、私にはどうすることも出来ない。
膝を抱えて近寄るなオーラの涼くんは…ほっとくことにした。私は、彼を視界の隅におく。
リュンヌに楽しみです! と言うと微笑まれて頭を撫でられる。
頭を撫でられるのは、嫌いじゃない。くすぐったくて不思議な気持ちになる。
「着きましたね! 凄いですね」
「そうね…この特に「HOLLY WOOD」マークが印象的ね。このマーク、晴てたら40~50kmも離れた先からも見えるのよ。ことのおこりは1923年…」
リュンヌは人差し指を顎に当てて弁舌に話を始めた。
私も涼くんと共に端の方で頭を抱える。うん、やはり私じゃ力不足だった。
流石ガイドさん、筋肉だけじゃなかった…説明が詳しすぎて最後の方、何をいってるのだか分からなかった。凄い、ガイドさんの本職はこうだもんな。
大きく深呼吸して、中へと入る。
眩しくて、目がくらんで開けれない。
緊張…。心臓がバクバクと激しく波打つ。ヤバい…ヤバイこういうときは…。
何故か、焦って思考回路が停止する。私の癖だ、すぐオーバーヒートするのだ。
閉じた目をぎゅっと瞑り、私は頭を下げた。
「失礼しまーす」
「よろしくお願いしますっ!」
元気よく挨拶をする。やっぱり最初が肝心だよね。頭の上から大きな拍手が聞こえる。
私は、それに興味津々。拍手の相手を見るため私は頭をあげた。
そして、驚きのあまり鳥肌がたった。
「……めえ!?」
「やぎかよ! 驚くのは、無理ないけどお前は驚くを通り越して違う鳴き声になってんじゃん。やっぱばかだな。立ってるだけで馬鹿っぼい」
涼くんがため息をつき呆れながら私を見下ろす。言い方がひどい。こいつめ。
ふおおおおおっ! でも、でもさあの大好きな「ハリー・○ッター」の主演ハリウッド女優「エマワト○ン」さんもいるんだよ! その他にもいろんな方が…驚かないわけないじゃん!ていうかこれほどの大物様がなんで…?←※遥は実際大統領さんとお友達なので遥も充分大物です。
私があわあわしている間にガイドさんが私達と大物さんの間に身を滑り込ませる。
しなやかな伸び凄い…!
ごほんと一回咳き込んでからいつもより高めの声で喋り始める。
「どうもこんにちは。ウフッ。皆さん豪華なメンバーですこと?」
「だって可愛らしいモデルの女の子と、男前なモデルの男の子と、おねえでマッチョのガイドという珍獣が来るといったら駆けつけますとも」
スラッと背の高い茶髪が似合う女優さん…いい人だ。
凄い口悪いけど…最後のは同感、一生に一度見れるかどうかの辺りの人だからな! 私は深く深呼吸をした。
チラリと目を後ろに配る。
すると顔を真っ赤にして口元を緩ませる涼くんの姿があって。子供っぽく無邪気に笑ってる。涼くん照れてる…やっぱ嬉しいんだよな。
すると彼も、こっちをちらりと見て茶色の瞳と目が合う。私は気まずくなって思わず目を逸らすと彼に怪訝な顔をされた。
それから無事撮影をおえ、サインを貰って感激。オルジィに感謝!
幸せほくほく。大統領にこの幸せを連絡せねば! 幸せのお裾分けだ。
涼くんが帰りの車では、ずっと笑ってた。ただ、目が笑ってなかった。
悪いことしてない…よな? 何で怒ってるのだろう。
「ごめんなさい」
「は? 何が」
笑顔の下の殺気が怖かった。ほんと、ごめんなさい。
そして、その後の会話は無いが、何とか無事帰宅した。
そして、重大発表だ。なんと涼くんが帰国するらしい。まあ、涼くんは一応一歳上なので受験生だ。こんな夏近くまで遊んでて大丈夫か、と思う反面寂しくもある。
しかし、私は中三で帰国だ。多分私が帰国するまでの間に、悪魔と契約するのだろう。何が願いかはよく分からないが。そもそも涼くんに願いってあるのか。
ずきずきと頭が痛みだした。最近目眩も多いな。
頭痛いし寝よう。布団へ引き寄せられ私は、すぐさま深い眠りについた。
スキル確認
百合




