銃口の冷たさ
今回も例によって即興小説サイトからの転載です。
お題は、冷たい感覚 制限時間は15分でした。
やってみてわかったことですが、15分って意外と短い。
書こうとしたことがまとまりませんでしたw
では、駄作者の即興小説第4弾!
初めて人を殺したいと思った。
僕が10歳で妹が5歳の時だった。
科学者で研究所に缶詰だった両親を殺されたのは…
妹はぎゃーぎゃーと泣いていたが、僕は泣けなかった。
子供より研究といった感じで全く僕たちに見向きもしてくれなかった親など
どうでもよかった。
僕は、妹がいればそれでよかった。
僕が20歳になったとき、妹の15歳の誕生日…
僕は大学の帰りに妹のためにケーキを買って帰った。
妹は高校生だというのに、未だに僕になついてくれるいい妹だった。
そんな妹が、家に帰ると冷たい死体となっていた。
死体の形跡から自殺ということが伺えた。
自分がいじめられていて、僕に迷惑をかけていると
自分は必要のない人間なんだ、だからいじめた子達は悪くないという
遺書の一番最後にはこう書いてあった。
『さようなら、ごめんねお兄ちゃん』
――初めて人を殺したいと思った
いじめたやつは、絶対にゆるせいない。
妹が復讐などを望んでいないという事実は関係なかった。
あれから2年、いじめたやつを特定し殺す計画が完璧にたった。
この2年恨みを全く忘れることはなかった。
まず仕入れた銃で、学校に潜入し
そいつらのいるクラスに行く。
そして、銃で殺す。
単純だが、僕はそれだけでよかった。
早速作戦を実行した。
学校に潜入するのに少々の時間がかかったが、あとは比較的楽に行けた。
テレビドラマとかだと、命乞いする女子高生に引き金を引けない犯人がいるが、
僕には、まったくなかった。
一切の躊躇なしに引き金をひいた。
どのくらい時間が経っただろうか、そろそろ警察が来る頃…
潮時だった。
僕は、いじめたやつらを殺したその拳銃を自分のこめかみにあてる。
背筋に冷たい感覚…
殺すときは躊躇せず引けたその引き金がなかなか引けなかった…
目を閉じると、妹が手招きをしていた…
――今、そっちに行く…
僕の意識はそこで途切れた。
それでは、またじかい