霧と宿
〇とある山(夜)
一人でキャンプに来た晃一。
食後の散歩中。
晃一「少し怖いけど、夜の山の散歩もいいものだな」
近くで「ガサッ」と音がして懐中電灯を当てる。
懐中電灯の光が野良猫に当たる。
野良猫「にやー」
晃一「なんだ…猫か…」
無視して歩き始める晃一。
ついていく野良猫。
晃一「おい、おい、ついてきても餌なんかないぞ」
野良猫「にやー」
溜息をつく晃一。
晃一「しょうがないな」
野良猫と並んで歩く晃一。
しばらくすると霧が出てくる。
晃一「霧が出てきたな…気味悪いから…おっと!?」
転がってたお地蔵さんにつまずき転びそうになる。
晃一「お地蔵さん…?」
横にはお地蔵さんが並んでいる。
並んでいるお地蔵さんの部分に一か所だけ
スペースがある。
晃一「バチが当たりそうだから戻しとくか」
お地蔵さんを持ち上げる。
晃一「重っ…!!」
お地蔵さんを元の場所へ戻す。
晃一「ふう…これでよし。さて、帰る…」
目の前に宿があることに気づく。
晃一「あれ…?あんなとこに宿なんかあったか?」
野良猫が突然走り出す。
野良猫「シャー!!」
晃一の前で毛を逆立て威嚇。
晃一「な、なんだよ…!!」
野良猫「シャー!!」
晃一「わ、分かったよ。帰るって…」
晃一はその場を一人後にする。
〇とある山(朝)
キヤンプ道具を片付ける晃一。
心の声(結局あの宿はなんだったんだ?
今からもう一回行ってみるか。
さすがにもうあいつ(野良猫)
もいないだろうし)
昨日の場所へ向かう晃一。
晃一「ここだ、ここ。あれ…?」
何もない山の光景。
晃一「確かに、ここ…!?」
昨日直したはずのお地蔵さんがまた転がっていて
つまづく。
晃一「ど…どういうことだ…!?」
しばらく立ち尽くす。
時は流れ…
〇自宅(夜)
リビングでテレビを観る晃一。
内容は「心霊スポット特集」。
晃一「ん!?」
B山というスポットの話に釘付けになる晃一。
<内容>
今から10年前B山には若女将が経営してる
古い宿があったそうな。
しかし、その宿は儲からず建て壊しが決定する。
だが、その前の日の「霧の出る夜」不思議なことに
その宿は若女将共々姿を消した。
それからしばらくしてB山では奇妙な噂が流れた。
「霧の出る夜」には消えたはずの古い宿が現れ中に
入った人は行方不明になると。
晃一「まじかよ…もしあの時…」
〇B山(その日の夜)
霧に包まれる中古い宿はあった。
完




