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魚座から来たにわか雨  作者: みきくきり


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ブランコ

Balancilo





月は、ブランコの板の上で生まれ、育った。

うれしくても、悲しくても、ブランコを揺らしてはならない。以前、誰かから(誰だったのか……)きつく命じられた。大地に張りついて生きている者たちが大騒ぎするから、という理由だった。

なのになぜか、ブランコの板はすり減っている。月のお尻の下のあたりに、少しくぼみを感じる。

ブランコを垂らしている、なかば腐っているような古い綱は、ずっと上のほうに向かって伸びている。上になにがあるのか知らない。知らないことばかりだ。

どうして自分がこんなところにいなくちゃいけないのかも、わからない。

もう飽き飽きしているけれど、「ぼくはこういう運命の星のもとに生まれたんだ」と思い、変化は望まないようにしている。

自分がいつまで生きられるさだめなのか、まじめには考えないあたり、やはり月も生き物らしい。

今夜も空のブランコにおとなしく乗って、退屈そうにしている。ため息が雲になってたなびく。

親の言いつけにはそむけない。月に、永いいのちを持っていると思いこませた親。

次の新月からは、また別の月がブランコに乗って現れる。

そしてため息をつくだろう。





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