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ノワキ/シャボンダマ
ノワキ Auxtuna Sxutormo
野分がからめとっていったのか、わたしが初めて産んだ子が、あっけなく魂を失ってしまった。病院から家に向かうタクシーのなかで、義母がわたしの手をにぎる。早く子どもを、男の子を、とたびたび圧力を感じさせた彼女。うっとうしい! と手を跳ねのけてやろう。でもわたしの手は動かない。あたたかさを吸いとって、なんとか自分を支えている。わたしは泣いていた。泣きたいときには泣けなかったのに。
* * *
シャボンダマ Sapvezikoj
わたしの初恋は、あれだったろうか、これだったろうか。
酔った頭から思い出を取りだしてならべ、ながめたり、つついたり。
闇にむかってシャボン玉を飛ばすような、益のないことをしている。
つかの間のきらめき。ささやかな色の舞。……
これからどんな恋に出会うのだろう
淡い空想にふけっていた、あの未熟な少女に触れたくなる夜がある。




