第七話 白き悪魔と王女の出会い
王都に到着した悠真とセリナ。
そのまま王城へと連行され、豪華絢爛な謁見の間に通された。
玉座には国王、そしてその隣には――
金髪ツインテールのお姫様。
美しくもプライド高そうなその少女が、じっと悠真を見つめていた。
(……おお、完全にラノベ的ヒロイン! しかも王女様!)
王女は立ち上がり、声を張った。
「そなたが……“白き悪魔”か!」
「だから違うってぇぇぇ!!」
勘違い
国王「噂は聞いておる。塩を操り盗賊団を壊滅、料理大会で覇王の称号を得たとか」
悠真「全部盛りすぎなんだってば!」
王女「ふふ……隠す必要はないわ。私にはわかる。
あなたは――伝説の勇者なのでしょう?」
「いやだから違――」
【提案:ここは否定せず、“ただの大学生です”と言ってみましょう】
「お、俺はただの大学生です!」
「だ、大学……せい? それは古代勇者の階級名かしら!?」
(うわぁぁぁ!! 誤解がさらに深まったぁぁ!!)
王女のお願い
王女「実は私……結婚を迫られているの。隣国の王子との政略結婚よ」
悠真「へぇ……(完全にラノベ展開じゃん)」
王女「そこで“白き悪魔”にお願いがあるの! 偽の婚約者になってほしいの!」
「えぇぇぇぇぇぇ!?」
ギルド仲間たち「……おい、塩勇者、王女様に求婚されたぞ」
セリナ「……(なんで、私じゃなくて王女なのよ)」
会場がざわつく。
悠真は頭を抱えた。
(いや俺、盗賊退治もバトルも全部スマホ頼りなんだけど!? なのに王女の婚約者候補!?)
スマホを見れば……
【おすすめ回答:“いいよ、でも塩代は高いよ”】
「やかましいわぁぁ!!」
次回――王女との偽装婚約スタート!?
セリナの心境も揺れ動き、三角関係(?)のラブコメが幕を開ける!