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第二話 最弱依頼で最強解決

「それでは、冒険者登録は完了です。ランクはもちろん……Fです」

受付嬢の笑顔がまぶしい。


「F……最弱じゃん」

「ですがご安心ください! 初心者向けの依頼が多数あります」


悠真は掲示板を眺める。


『畑を荒らすスライム退治』

『納屋に湧いたゴブリン退治』

『隣町までの荷物運び』


(……なんか地味だな)


とりあえず、一番簡単そうな『畑のスライム退治』を選んだ。


畑にて


依頼人のおじいさんが泣きそうな顔で訴えてくる。


「おぉ、冒険者様! この畑のスライムをどうにかしてくだされ!」


悠真はスマホを構えた。

「……ChatGPT、スライムの倒し方」


【スライムは水分が主成分です。塩をまくと高確率で縮みます】


「なるほど」


悠真はスマホを掲げ、即座に次の質問。

「この村で塩を調達する最速ルートは?」


【近くの雑貨屋で袋入りの粗塩が1シルバーで売っています】


悠真はダッシュで塩を買い、ドバドバと畑にまいた。

次の瞬間――


「ぎゃああああああ!!」


スライムは一瞬で干からび、カリカリになって崩れ落ちた。


畑の主も、依頼を見ていた村人たちも、ポカーン。


「え、えぇぇ!? スライムって……そんな簡単に……?」

「さすが古代文明の秘宝……!」


「ちょ、ちょっと待て! 俺まだ何もしてないから!」


ギルドにて


報告を終えると、受付嬢が目を丸くしていた。


「……たった一時間でスライム退治が完了した? しかも“被害ゼロ”で?」

「はい、塩まいただけです」

「塩……? ……ッ!?」


ギルド全員が立ち上がった。


「塩……それは古代の禁断の秘術!」

「まさか、Fランクの新人が……!」


悠真は両手を振った。


「いや違うから! 俺ただの大学生だから!!」


だがこの日、**“塩の勇者”**という謎の二つ名が村に広まることになったのだった。

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