第78話「同窓会の帰り道、潤の登場」
1. 夜風に吹かれる帰り道
「じゃあ、またね、美陽!」
「うん、またね」
梨沙子たちと別れ、美陽は一人になった。
夜の空気は、少し冷たかった。
(……疲れたな)
胸の奥に残るもやもやを抱えながら、
静かに歩き出したそのとき――
「きゃー! カッコいいー!」
「誰!? え、やばいんだけど!」
前方で、女子たちが騒いでいた。
(何……?)
ふと視線を向けると、
彼女たちの中心にいたのは――
2. そこにいたのは、潤
潤が、車の前に立っていた。
スーツのジャケットを片手に持ち、
ラフなシャツ姿で車にもたれかかっている。
「え、モデル?」
「いや、ガチでカッコよすぎる」
「まさかの彼氏迎えに来てる系!?」
女子たちの視線を一身に浴びながらも、
潤は気にする様子もなく、
美陽の方を見つめていた。
「美陽」
「……潤?」
美陽は驚き、急いで駆け寄った。
3. 潤の様子が違う
「どうしてここに?」
「迎えに来た」
「……え?」
潤はふっと笑う。
「なんとなく、迎えに行きたくなって」
そう言って笑うが、
美陽はどこか違和感を覚えた。
(潤……なんか、いつもと違う)
4. 交わされる言葉
「潤、どうしたの?」
「どうもしてないよ」
「でも、なんか……」
「……美陽、乗って」
潤は、美陽の手を取ると、
ドアを開けた。
「え、ちょっと待って……」
「寒いだろ? 乗ってて」
そう言われてしまうと、
美陽は拒む理由もなく、
静かに助手席に座る。
5. 潤の「待ってて」
エンジンがかかる音。
でも、車は発進しなかった。
「ちょっと待ってて」
「え?」
「すぐ戻る」
そう言い残し、
潤は車を降りた。
(どこ行くの……?)
美陽は、不安げに潤の後ろ姿を追う。
そして、彼が向かった先にいたのは――
6. 潤、幸大に声をかける
幸大だった。
美陽の心臓が跳ねる。
(潤……何をするつもり?)
潤は、幸大の前に立つと、
静かに口を開いた。
「……久しぶりだな、幸大」
幸大は、驚いたように顔を上げた。
「潤……?」
「少し、話そうか」
そう言って、
潤はゆっくりと微笑んだ。
しかし、その笑みは、どこか冷たく見えた――。
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