第63話 美陽の小さな違和感
1. 違和感が消えない日々
体育祭の練習が続く中で、
美陽の中にはずっと”違和感”が残っていた。
(私は、潤と付き合ってる)
(潤といるのが楽しい。幸せなはずなのに……)
それなのに、
どうしてこんなにも幸大の態度が気になるんだろう?
2. 普通に戻ろうとしても、戻れない関係
「よ、美陽!」
「おはよう、潤!」
朝、潤が元気に手を振る。
美陽はすぐに笑顔を作って、彼の隣に並ぶ。
だけど、ふと廊下の向こうを歩く幸大の背中が目に入った。
(あ……)
無意識に目で追ってしまう自分がいた。
「……?」
潤が美陽の視線を追い、
その先にいる幸大を見つける。
3. 潤の優しさと、美陽の戸惑い
「最近、幸大と話してる?」
「え?」
突然の問いに、美陽は戸惑う。
「いや、なんとなく……前より距離あるなって思っただけ」
「……うん。あんまり話せてない」
「そっか」
潤はそれ以上何も言わなかった。
でも、彼の表情はどこか気にしているようだった。
4. どうしてこんなに気になるの?
放課後、美陽は屋上でひとり考えていた。
(私は……幸大のことを気にしてる?)
(いや、そんなわけない。潤がいるのに)
そう思いながらも、幸大が遠ざかることに寂しさを感じているのは確かだった。
「もう、なんなの……」
膝を抱えて、小さく呟く。
(私は……どうしたいの?)
答えが出ないまま、空を見上げた。
5. すれ違いは続いていく
次の日も、その次の日も、
幸大は相変わらず美陽を避けていた。
話しかけても、そっけない。
目を合わせようとしない。
以前なら、ふざけた感じで絡んできたのに――
(もう……元には戻れないのかな)
その思いが、美陽の胸を締めつけた。
6. 遠くなる距離に、確信する違和感
「……幸大」
小さな声で名前を呼んでみる。
だけど、その声は幸大には届かない。
彼は何も気づかないふりをして、
ただ遠くへと歩いていく。
その背中を見送りながら、
美陽は心の中で呟いた。
(私、やっぱり――)




