第62話 体育祭でのすれ違い
1. 体育祭、チーム分けの発表
「今年の体育祭、チーム分け発表されたよ!」
放課後、クラスメイトたちがざわめく。
「誰と同じチーム?」
「私、潤と一緒だ!」
そんな中、美陽は、幸大と同じチームであることを知る。
「……幸大と一緒か」
少しだけ胸が高鳴る。
でも――
(最近、あんまり話してないけど……)
嫌な予感もしていた。
2. 練習中の微妙な距離
体育祭の練習が始まった。
クラス対抗リレーや綱引き、大縄跳び。
チームで協力する競技が多い中、幸大はどこか距離を取っていた。
「幸大、次のバトン渡し、こういう感じでいい?」
「……ああ、別に」
それだけ言って、目も合わせない。
(なんか……冷たくない?)
(普通に話してくれればいいのに)
美陽は、少しだけムッとした。
3. 違和感を感じる美陽
「幸大、ちょっと作戦決めたいんだけど……」
練習の合間、美陽は幸大に声をかけた。
「ん」
「えっと……次のリレー、どうする?」
「……他のやつに聞けば?」
「え?」
「別に、俺に聞かなくてもよくね?」
美陽は、言葉を失った。
(なんで……?)
(なんでそんな態度なの?)
「……そっか」
仕方なく、美陽は別のクラスメイトに相談した。
その間、幸大は一度もこちらを見ようとしなかった。
4. なんでそんなに避けるの?
練習後、美陽は体育倉庫で道具を片付けていた。
そのとき、ふと気配を感じて振り向くと――
幸大が倉庫の前を通り過ぎようとしていた。
(今なら、話せる……?)
美陽は思わず、幸大を呼び止めた。
「ねえ、幸大」
「……なに」
彼は立ち止まるが、相変わらず目を合わせようとしない。
「最近、なんか変じゃない?」
「別に」
「……避けてるよね?」
「気のせいだろ」
「気のせいじゃない!」
思わず強く言ってしまった。
「前は、普通に話してくれたのに」
「……」
「なんでそんなに避けるの?」
「……」
幸大は、ほんの一瞬だけ表情を曇らせた。
でも、すぐに顔を背ける。
「……別に、お前に関係ねぇだろ」
その言葉に、美陽は心臓をぎゅっと掴まれた気がした。
5. ひとり取り残された気持ち
「……そっか」
それだけ言って、美陽はそれ以上何も言えなかった。
幸大は、すぐにその場を去っていった。
彼の後ろ姿を見つめながら、美陽はどうしようもなく寂しくなった。
(なんで……?)
(なんでそんな言い方するの?)
6. 遠ざかる距離、近づけない想い
その夜。
ベッドの上で、美陽は天井を見つめながら考えていた。
(私は……幸大と普通に話したいだけなのに)
でも、幸大はもう話してくれない。
距離を取られているのが、はっきりとわかる。
(もう……前みたいには戻れないのかな)
潤と付き合っている。
だから、本当は幸大のことなんて気にしなくていいはず。
だけど、心の奥では――
「このまま幸大が遠くなってしまうのが怖い」
そんな気持ちが、静かに広がっていた。




