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15年目の愛  作者: みいな
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第45話 終わる悪意、変わる関係

1. 愛里の決断 - もう、こんなことはしない


愛里の手から、美陽の上履きがゆっくりと落ちる。


「……もう、こんなことしないわ」


その声は、小さく、震えていた。


「……」


幸大は、彼女の表情をじっと見つめた。


(こいつ……ようやく、気づいたか)


愛里の肩は、わずかに震えている。


彼女は、ただ潤が好きだっただけ。

それなのに、間違った方法でその気持ちを示してしまった。


(まるで、昔の俺みてぇだな……)


幸大は、かつて美陽に想いを伝えられず、ただ見守ることしかできなかった自分を思い出していた。


2. 愛里の涙 - こぼれ落ちる後悔


「……私、ずっと潤くんのことが好きだった」


愛里は、ポツリと呟く。


「なのに、こんなことしかできなかった……」


「潤くんは、いつもみんなに優しくて……それなのに、私だけには優しくしてくれなかった」


「……ちがう、優しくしてくれてた。でも、それが”恋愛の優しさ”じゃないって、わかってたの」


「それが苦しくて、どうしたらいいかわからなくて……」


「私は、ただ……」


涙がポタポタと床に落ちる。


3. 幸大の静かな声


「……俺も、わかるよ」


愛里は、ゆっくりと顔を上げた。


「俺も、美陽がずっと好きだった」


「でも、それを言えなかった。言わないことを選んだからな」


「だけど、お前みたいに間違った方法でどうにかしようとは思わなかった」


「俺が見てたのは、いつも笑ってる美陽だった」


「お前が好きだった潤だって、そうだったはずだろ」


「お前の好きな潤は、そんな小細工で振り向くような男か?」


「……っ」


「正々堂々と向き合えよ。それが、本当の”好き”だろ」


愛里の目に、もう一度涙が溜まる。


4. 愛里の決意 - 私は、私のままでいる


「……もう、こんなことはしない」


愛里は、絞り出すようにそう言った。


「私、ちゃんと自分で向き合う……」


「卑怯なことして、潤くんに振り向いてもらっても、それは本当の私じゃないから」


「……それがわかってるのに、私はずっと間違ってた」


「……バカだよね」


幸大は、ゆっくりと息を吐き出した。


「……まぁ、バカだな」


「でも、お前が自分で気づけたなら、それでいいだろ」


愛里は、泣き笑いのような顔をしながら、「……そうね」と小さく笑った。


5. 変わる関係 - 幸大が見守る未来


翌日、学校では少しずつ噂が収まっていった。


美陽に対する風当たりが弱まり、クラスメイトたちは次第に普通に接するようになっていく。


その中で――愛里は、美陽にいつものように話しかけた。


「おはよう、美陽ちゃん」


「……あ、愛里ちゃん!」


「今日も寒いね~、もう冬服のコート出した?」


「うん、昨日出したよ!」


何事もなかったかのように、美陽は笑った。

彼女は何も知らない。


愛里が自分を傷つけようとしていたことも、

そのことに気づいて罪悪感を抱いたことも。


(……その方がいいのかもね)


愛里は、小さく息を吐いた。


その後ろで、幸大は静かに二人の様子を見つめていた。


(あとは……お前次第だぞ、柳田)


見守ることしかできない幸大と、過去の自分を乗り越えようとする愛里。


二人は、それぞれの想いを抱えながら――少しずつ、新しい道を歩き始めていた。


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