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15年目の愛  作者: みいな
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第44話 幸大が見た真実 - 愛里の行動

1. 幸大の確信 - 噂の発信源


「柳田……」


放課後、廊下を歩きながら、幸大は頭の中で情報を整理していた。


・美陽に関する噂が、クラスのあちこちで広まっている。

・内容は、ありもしない恋愛トラブル。

・そして、その噂の発信源に愛里の名前がちらほら出てくる。


(ほぼ確定だな)


美陽がこんなことをするはずがない。

誰かが意図的に噂を広めている――そして、その黒幕は愛里だ。


2. 放課後の教室 - 誰もいない空間で


部活が終わり、日が落ちかけた頃。


幸大は、一人で教室に戻ってきた。


(……やっぱり、確認しとくか)


少しだけ気になったことがある。

それは――美陽の上履きが、ロッカーから微妙にズレていたこと。


(何かされてないか……)


そんなことを考えながら、教室の扉を開ける。


――その瞬間、目の前の光景に、幸大の目が鋭くなった。


3. 愛里の行動 - 何をしている?


誰もいないはずの教室。


でも、そこには一人の人影があった。


柳田愛里。


彼女は、美陽の上履きを手に持ち、ロッカーから取り出そうとしていた。


(……こいつ、マジでやりやがったか)


幸大は、無意識に拳を握りしめていた。


4. 幸大の静かな怒り


「おい、何してんだよ」


その低い声に、愛里の手がピタリと止まる。


「……」


彼女はゆっくりと振り向き、何事もなかったように微笑んだ。


「なにって? ちょっと整理してあげようと思ってただけよ」


「嘘つけよ」


幸大は一歩前に踏み出し、愛里を睨みつける。


「お前が美陽の噂を流してるのも、もうわかってる」


「……」


愛里の表情が、一瞬だけ固まる。


だけど、すぐに余裕のある笑みを浮かべた。


「証拠でもあるの?」


「証拠なんかいらねぇよ。お前の態度が全部物語ってる」


「……っ」


5. 追い詰められる愛里


幸大は、冷静なまま続ける。


「もうこんなの、やめろよ」


「……」


「お前が何を思ってるかは知らねぇけど、こんなことしても、誰も幸せにならねぇだろ」


愛里は、わずかに唇を噛みしめる。


それでも、まだしらを切ろうとした。


「私は……別に何もしてないわ」


「じゃあ、なんで美陽の上履きを持ってたんだよ」


「それは……」


愛里の声が、小さく震えた。


「お前、本当はわかってるだろ?」


幸大の目が、まっすぐに愛里を射抜いた。


6. 愛里の涙 - 隠していた本音


「……なんで」


愛里が、小さく呟いた。


「なんで……あなたが美陽と付き合わなかったの。」


「……?」


「あなたが美陽と付き合っていれば、こんなことしなくてもよかったのに!!」


その瞬間、愛里の目から涙がこぼれた。


「……」


幸大は、一瞬だけ言葉を失う。


「私は、ずっと潤くんのことが好きだった……」


「でも、あの子が現れて、全部持って行った……」


「それでも、あなたが美陽を選んでいれば……潤くんは私を見てくれたかもしれないのに……!!」


愛里は、感情を抑えきれずに泣き崩れる。


「私は……ただ、潤くんを好きだっただけなのに……」


7. 幸大の言葉 - 本当の愛とは


「……お前の気持ちは、わかるよ」


静かに、幸大が口を開いた。


愛里が、泣きながら顔を上げる。


「でもな、たとえ俺が美陽と付き合ってても、潤はお前を選んでねぇよ」


「……っ」


「そんな適当な男じゃねぇから、お前は潤を好きになったんだろ」


その言葉に、愛里の表情が揺れる。


「……っ」


「俺だって、お前と同じだよ」


幸大の声は、どこか切なかった。


「俺も、美陽のことが好きだった」


「でも、それを言わなかったのは、俺が選んだからだ」


「正々堂々と、俺のやり方で想いを持ち続けるってな」


「……」


「だから、お前もこんなことしてないで、ちゃんと向き合えよ」


「本当の愛ってのは、こんな陰湿なことしなくても、堂々と貫くもんだろ」


8. 愛里の沈黙 - 過去を振り返る


その言葉に、愛里はハッとしたように目を見開いた。


(……私、ずっと潤くんの周りの女の子を遠ざけてきた)


(でも、潤くんはそんな私を選ばなかった)


(もしかして、私は最初から間違っていたんじゃないの?)


ゆっくりと、愛里の手から美陽の上履きが落ちる。


「……もう、こんなことしないわ」


そう呟いた彼女の声は、小さく震えていた。



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