第15章:それぞれのクリスマス - 選んだ道、選べなかった想い
第1話:クリスマスの計画 - すれ違う想い
「クリスマス、みんなで集まらない?」
授業が終わった昼休み、教室の中でそんな話題が飛び交っていた。
「やろう、やろう! せっかくの冬休み前だし!」
「イルミネーション見に行くのもアリだよね」
「それより、クリスマスって言ったらやっぱりカップルデートでしょ?」
誰かがそう言うと、クラスが一気に盛り上がる。
「いいな~、彼氏とイルミネーションとかロマンチックじゃん!」
「おいおい、そういうのはリア充だけの話だろ」
そんな冗談交じりの声が響く中、美陽はちらりと隣にいる潤を見た。
「じゃあ、俺と美陽はデート決定だな」
潤は気軽な口調で言い、周りから「おぉ~!」と囃し立てられる。
「もう、からかわないでってば!」
美陽は照れくさそうに言いながらも、「うん、そうだね」と微笑んだ。
1. 幸大の視線 - 受け入れるつもりだったのに
そのやり取りを、幸大は遠くから静かに見ていた。
(美陽と潤は、順調なんだな)
それを知っているし、もう受け入れたつもりだった。
でも――
(美陽、笑ってるけど……なんか違う気がする)
潤の冗談めいた言葉に対して、美陽は確かに笑っていた。
けれど、その笑顔がどこかぎこちないような気がした。
(いや、気のせいだろう)
自分がそんなことを考える資格なんてない。
美陽は、潤を選んだ。
(俺は、もう関係ない)
それなのに――
どうして、こんなに胸がざわつくんだろう。
2. 幸大の決意 - 見守ることしかできない
その日の放課後、幸大は一人、アトリエで絵を描いていた。
筆を走らせながら、頭の中で考える。
(俺が美陽に何か言うことなんて、もうない)
美陽は潤と付き合っていて、幸せそうにしている。
それを、ただ見守るしかない。
(それが、俺が選ぶ道だ)
それなのに、なぜか心の奥に冷たいものが沈んでいくような感覚があった。
3. すれ違う気持ち
その夜、美陽はベッドに横になりながら、スマホを眺めていた。
潤から送られてきた「クリスマスどこ行こうか?」というメッセージを見て、指を止める。
(私は、クリスマス、潤くんと一緒にいる)
それなのに――
今日、幸大がふと自分を見ていたことが頭から離れなかった。
彼は何も言わなかった。
だけど、その目が何かを言いたげだったような気がする。
(私、ちゃんと前を向けてるのかな……?)
自分の気持ちがどこに向かっているのか、まだはっきりとはわからなかった。




