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第25話 みなとみらいでの待ち合わせ
土曜日の朝。
駅の改札を抜けると、海風がほのかに香るみなとみらいの街が広がっていた。
少しだけ緊張しながら、美陽は待ち合わせの場所へと向かった。
(……潤くんと、二人で出かけるの、なんか不思議な感じ)
友達として話すことはあっても、こうして二人で「デート」みたいなことをするのは初めてだった。
(……いや、これはデートじゃなくて、ただのお出かけだから)
そう自分に言い聞かせながら、待ち合わせ場所に着くと――
「お、遅刻しなかったな」
潤が、軽く笑いながら手を振っていた。
「当たり前でしょ!」
美陽もつられて笑う。
潤は、いつもよりラフな私服姿だった。
黒のパーカーにデニム、シンプルなのにどこか洗練された雰囲気で、周りの人たちの視線も少し集めている。
(やっぱり、潤くんって目立つんだな)
「さて、まずはどこ行く?」
「えっと……潤くんが決めていいよ」
「じゃあ、映画でも見るか」
「うん、いいね!」
こうして、二人の「お出かけ」が始まった――。




