第18話 文化祭 - 揺れる想い、交差する気持ち
1. 文化祭の準備 - 予想外の主演ペア
「文化祭の演劇のキャスト、決めるぞー!」
夏休みが終わり、2学期に入るとすぐに文化祭の準備が始まった。
1年B組の出し物は「舞台演劇」。
「せっかくなら、イケメンが主演の方が盛り上がるよな?」
担任がそんなことを言い出した瞬間、クラス中の視線が**長瀬潤**に集まった。
「え、俺?」
潤はポカンとしながらも、周りの女子たちが「絶対かっこいいよ!」「潤くん、やろうよ!」と盛り上がるのを見て、苦笑する。
「まぁ……やるならちゃんとやるけど?」
「決まり! じゃあ相手役は……」
担任は名簿を見ながら、すぐにある名前を挙げた。
「美陽がいいんじゃないか?」
「えっ……私!?」
突然の指名に、美陽は思わず驚く。
「だって、長瀬と並んだら映えるし、お前ならちゃんとやってくれそうだろ?」
「いやいや、私演技なんてやったことないし!」
「でも、演劇部じゃなくて素人がやるからこそ、初々しくていいんだよ!」
「それ、褒めてます?」
「まぁまぁ、やってみろって!」
周囲も「いいじゃん!」と盛り上がる中、潤がニッと笑いながら美陽に言った。
「俺も初心者だし、一緒にやろうぜ」
「……うぅ、仕方ないな」
こうして、文化祭の演劇で潤と美陽が主演を務めることになった。